幽斎

JIGSAW ソリッド・ゲーム/生存者は見たの幽斎のレビュー・感想・評価

3.8
C級スリラーをレビューする、Scavenger第51界。原題「I Want to Die」私は死にたい?勝手に死ねよ(笑)。希少な訳アリ南アフリカ産。AmazonPrimeで299円鑑賞。

Filmarksのタイトルで既に出オチですが、アマプラから直リンで来た人は誠に御愁傷様。Amazonの表記はハッキリ2023、本作は2010年にリリースされた「JIGSAW ソリッド・ゲーム」原題The Unforgiving、容赦ないモノ。配信で過去の罪を消す様にタイトルまで変えた。製作したKamakazi Productionsが倒産して権利が浮遊する所を日本のトランスワールドアソシエイツが拾った。この後しっかり叱って置くが、円盤が衰退し配信に変わっても、更に酷いパチモンを仕掛ける配給会社の貪欲さに過当競争の闇を見た。私は少額の株をヤッてるが、非合理なAnimal Spiritsは映画の世界でも健在。

私の生涯一位作品「SAW」、低予算スリラーが大ヒットし数多くの偽物、贋物、紛い物、まやかし、もどきが雨後の筍の様に現れ、レンタルビデオ店はSAWだらけ(笑)。中でもアルバトロスは、傘下のニューセレクトで独自のSAWシリーズを展開。単なるSAWっぽい作品のコラージュに過ぎないが、通算12作目で正気に返ったのか打ち止め。最後の作品が本作。問題は配信でタイトルを変えた事。令和の世に平然と詐欺紛いのサルベージでカネを獲る神経には呆れてモノが言えない。何が「生存者は見た」だよ、コレなら「社長、安ぅ~い!」夢グループの通販の方が遥かに良心的。

私の映画に対するスタンスは「批判するなら先ずは一読アレ」なので、JIGSAWシリーズも全て見た(笑)。何れもスカだが因みにスカの語源はハズレくじですが、最終章を謳うだけに一番出来が良かった。南アフリカからノーレイティングで輸入された本作は、冒頭のモノトーンで警察の取り調べが映し出されるシーンから気合が入る。Alastair Orr監督はレビュー済「ゲームオーバー」、南アフリカの自称ホラーの帝王だがハリウッドの作品をパクって、人知れず南アフリカで商売する作家性など微塵も感じない作品ばかり垂れ流してる。私的には「ex エックス」一番マトモかなと思うが、ホンマにアマプラ謎映画なら最優秀賞候補に成れた、的などんでん返しはスカベンジャーでは秀逸と言って差し支えない。

本作の製作費は当時のレートで日本円でたった50万円!。如何に当時の「円」が強かったか。犯人では無く円安を放置して大企業を太らせ国民から増税する事しか眼中にない岸田政権は本気で滅んで欲しいが、グロがお好きな方にも血糊タップリ、特殊効果も頑張ってる。基本スリラーだが証言の食い違いは時系列のトリックと容易に看破出来るが、現在造られてるスカベンジャーより遥かに納得感ある結末は、2010年当時は拍手を以って迎えられただろう。作品のクオリティは良いが、茶碗蒸しの様に蒸し返すがGEOの旧作レンタルで55円で借りられる作品に299円払う意味を私は問いたい!(笑)。

スカベンジャーとは地雷を踏む事と見付けたり。普通に面白いので、暇潰しに為るかも。
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