爆裂BOX

JIGSAW ソリッド・ゲーム/生存者は見たの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.4
邦題だけシリーズ作品「JIGSAW」シリーズの最終作です。監督は「ゲームオーバー」や「逆殺館」のアラスター・オア。Amazonprimeビデオで「生存者は見た」のタイトルで配信されて商品説明には「2023年」と表記されてますが、実際は2010年のこの作品です。
謎の殺人鬼に4人が惨殺された「ルート106号虐殺事件」の生存者の一人レックスはガスマスク姿の男にチェーンで監禁されて、拷問された恐怖の体験を語る。もう一人の生存者アリスは車の故障で立ち往生した所をガスマスク姿の殺人鬼に襲われ、ヘロインを打たれてレイプされたと語る。しかし刑事は二人の証言に疑問を感じていた…というストーリーになっています。
50万円という超低予算で製作された作品で、基本的に取調室で二人の男女が刑事に事情聴取受けるシーンと、フラッシュバックによる回想シーンでガスマスク姿の男に監禁されて拷問されて暴力振るわれていたぶられる姿が交互に描かれて進んでいきます。話が進むうちに二人の証言に矛盾が生じて来て、どちらかが嘘をついているのは明白。更に現場にはもう一人監禁されていた形跡があり、その人物は何処に行ったのか?という謎も生まれていきます。
事情聴取受けている様子と監禁された時の様子が交互に描かれるという構成上仕方ないかもしれませんが、映像的にはブツ切りになっていて、逃げだそうとしたレックスが割れたビンの破片踏んで足裏に刺さったり、ドライバーで腹刺されたりと痛そうなシーンありますが、直接的な描写がほぼないのでそこまでインパクトはないですね。レックスはボコボコにされて顔血塗れになりますし、アリスの方も拉致される時に顔地面にガンガン叩きつけられたりして血塗れになりますが、折れて血塗れの鼻は痛々しい感じ出てたと思います。
上記の様にレックスは監禁された時にボコボコにされて顔血塗れになってるのに、刑事に話してる時は顔に傷負ってないので時系列ずらしたトリックだなと見当は付きますが、それでも後半真相が明らかになった時は「なるほど!」と思いましたね。アイツの正体も会話の中でちゃんと出て来てたし、アイツの事知らないって言ったのも本当だったわけね。あの人が協力者だったのも意外ではありました。だからアリスのレイプの痕跡でなかったのね。真相分かってみれば単純な事件ではあるけど、見せ方とかでどんでん返し演出できたのは超低予算作品としては頑張ってると言えるでしょうね。
ただ、終盤の犯人との格闘シーンでガチャガチャカメラになって見辛いことこの上ないのは残念でしたね。低予算の粗隠す為かもしれないけど普通に撮って欲しかったな。ドリル突き刺すシーンがこの作品で唯一ゴア描写と言えるシーンでしたね。そんな大したものじゃないけど。
50万円という低予算で製作されたスリラーとしては健闘した作品と言えるのではないでしょうか。