爆裂BOX

モンスター・フライトの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

モンスター・フライト(2014年製作の映画)
3.0
引退が決まり最後のフライトとなったボーイング747。夜になり天候が荒れだしたころ、機内で切り裂かれたような傷を無数に受けたCAの死体が発見され…というストーリー。
アメリカと中国合作のモンスターパニック作です。中国では3Dで上映されたようですね。
機内で乗客が持ち込んだ荷物の中にあった化石と思われた怪物が復活し、乗客乗員を襲っていくという内容ですが、肝心の怪物は終盤までハッキリ姿を現しません。襲撃シーンもカメラが登場人物に寄って行って悲鳴を上げて次はひっかき傷つけて倒れてるシーン多いので迫力は当然なく地味なものになってます。尻尾?で胸貫かれて死ぬシーンと、その死体に縋りついた奥さんが死体ごとすごい勢いで引きずられていくシーンはちょっと面白かった。傷も引っ掻き傷とちょっとした噛み傷だけなのでゴア描写も全然ないですしね。また、怪物がウミヘビ並みの毒をもっていてその毒で犠牲者死にますが、基本攻撃が引っ掻きだけでそんなに威力く更に水飲んでればとりあえず延命できるようで、殆どの犠牲者が襲撃されても生還して水飲んで毒に苦しんでも生きてます。
怪物の登場は遅いながらも、テンポ自体は悪くなく、登場人物もヒロインのもうすぐ機長になるCAと元カレの機長、冷静に事態に対処しようとする乗客の男とその友達と浮気してるその彼女、自分勝手なアメリカ人とその妻、予知能力を持つ幼女にその子に付き添われてる老婆など個性的なキャラ多くて、彼らが繰り広げる人間ドラマも、パニック映画のお約束的に自分勝手な奴が状況引っ掻き回したりしてそれなりに楽しんで見れます。ここでの人間同士のバトルシーンが思いの外見せ方とか見応えありましたね。
「ゴシップガール」のエド・ウェストウィックが常に冷静な機長を演じてますが、自動操縦が効かず操縦席を離れられない設定の為、登場シーンは多いけど殆ど活躍しません。終盤でようやく動きますが。
お色気担当の最初の犠牲者でもあるCAの乳首が蛍光ピンクだったのはかなり衝撃受けました(笑)
終盤漸く姿を現す怪物の正体はすでにジャケットでもネタバレされてますが、まさかの黒猫。しかも普通サイズで姿を現した時は「ちっちゃ!」って言っちゃいましたよ。CGは悪くないけど如何せん普通の猫なので、バトルシーンも消火器で殴ったりカートで押しつぶしたりする所が集団で猫ボコボコにしてるようにしか見えませんでした。パワーは強いみたいだけど。巨大化もしますがそれでもピューマ程度の大きさですね。最後の倒し方もエンジンに吸い込まれる猫とその下で悲鳴上げながら落ちていく機長がシュールでした。
お約束の着陸パニックも地味に終わりましたね。その後のあの人が生きてたのはちょっと無理やりな感じで笑った。胸引っかかれてたけどえらく平気そうにしてましたね。他の人は引っかかれて毒に苦しんでたのに。最後のオチもベタベタでした。
エンドロールではNG集ではなく製作陣とキャスとのインタビューが流れるのは珍しいですが、ここでの自画自賛ぷりが笑えました。ここが一番面白かったかも。
テンポはいいし「クソ!」と貶すほど酷くはないけど、地味で盛り上がりに欠ける作品と感じましたが、優秀で情熱的な監督によるあらゆる魅力が詰まったこれ以上ないほど面白い作品らしいので一見して見るのもアリかもしれませんね。