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日本のいちばん長い日のドクターのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)
4.0
太平戦争末期、ポツダム宣言受諾か、破棄して全面戦争かの選択が問われる緊迫した状況。
歴史の再認識ができる映画でした。
とくに印象に残ったのは、本木雅弘演じる昭和天皇。
いつ何時も国民を想い、イケイケドンドンの軍国主義者とポツダム宣言受諾への道筋をたどる平和主義者との間で板挟みになり、苦悩する姿を本木雅弘は上手に演じていた。
昭和天皇は、本当に大変だったな。
終戦後、マッカーサー元帥が連合国軍総司令官総司令部のトップでよかった。
彼が人格者であったお陰で、昭和天皇の政治責任は問われる事なく、日本人が受け入れられない最悪の事態を回避し、復興の道をその後辿ることになる。
役所広司、山崎努、松坂桃李等々名優が出演しており、この映画のスケールをより大きなものにしている。
天皇の玉音放送の前にこんなにまでseriousな状況にこの日本はあったのか、と驚かされる反面、そりゃそうだわな東条英機を始めとした軍国主義者が黙ってないわな、とも思わされた。
最後に天皇の玉音放送がラジオから流れた時はほっと一息つけました。
皇室って本当に大変な仕事を任されていたんだな。
とくに戦争期は、日本の象徴として威厳を保たねばならない。
上記に述べた通りの板挟み状態にもなり得るわけで、その中でも穏やかに国民の生活を憂えなければならない。
天皇制について深く考えさせられる映画でした。
本木雅弘は、上手かった。
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