WOWOW録画鑑賞
【特集・第二次世界大戦を振り返る】
“この戦争はこの内閣で決着です!”
〜鈴木貫太郎首相
史実に基づく作品。
1945年の終戦前夜。
日本の前途を巡ってぎりぎりの攻防が繰り広げられた、御前会議から玉音放送へと至る緊迫の24時間を、役所広司らの競演で重厚に描いた歴史群像劇。
英題 『THE EMPEROR IN AUGUST』
2015日本作品137分
監督・脚本 原田眞人
原作 半藤一利
『日本のいちばん長い日 決定版』文藝春秋, 1995年
撮影 柴主高秀
音楽 富貴晴美
出演 役所広司 本木雅弘 松坂桃李 堤真一 山﨑努
(WOWOW番組内容より)
いよいよ日本の敗色が濃くなった1945年7月末、連合国軍は日本に対して無条件降伏を迫るポツダム宣言を発表。それを受諾するか日本政府が返答を先送りにする間に、8月6日に広島、次いで8月9日には長崎に原爆が投下される緊迫した事態に。それでもなお、陸軍の若手将校たちは徹底抗戦を唱え、彼らの暴発を抑えるのに陸軍大臣・阿南(役所)が苦慮する一方、鈴木首相(山崎)は御前会議を開いて天皇(本木)の聖断を仰ぐよう、冷静に事を進めていく。
(WOWOW解説より)
降伏か、本土決戦か? 太平洋戦争末期、日本に対して無条件降伏を迫る連合国軍のポツダム宣言が出され、続いて広島、長崎に原爆が投下されて、いよいよ苦渋の決断を迫られる中、日本は一体どのようにして終戦を迎えることになったのか?
まさに日本のいちばん長い日となった、8月14日から15日に至る緊迫の24時間に焦点を当てた半藤一利の傑作ノンフィクションを、原田眞人監督が、岡本喜八監督の1967年版以来、48年ぶりに再映画化。
役所広司、山﨑努、本木雅弘ら、豪華出演陣の息詰まる競演が見もの。
岡本喜八監督版は、過去観た記憶。
玉音放送の原盤争奪戦や、反乱軍部隊の銃撃戦などの記憶が残るが。
同じ時代の作品と混ざって記憶かも⁈
本作は、原作・半藤一利の原作
『日本のいちばん長い日 決定版』(1995)を元に、主人公を阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)、鈴木貫太郎内閣総理大臣(山﨑努)の2人に焦点を当てた群像劇。
そして、昭和天皇を演じた本木雅弘。
昭和の時代には描きにくかっただろう役柄を真摯に演じていたのが印象的。
終戦までの特に24時間の間の混乱を描く群像劇なので登場人物も多く、史実を少しでも知っていると理解しやすい。
その中でも、
陸軍内の青年将校たちが徹底抗戦を叫び、阿南に詰め寄るシーンは、斬り殺される⁈
恐ろしさ。
松坂桃李演じる陸軍・畑中少佐の狂気に満ちた目力が特に印象的。
この時代の空気を演じられるイイ役者さんですね。
東条英機陸軍大将、元首相(中嶋しゅう)が青年将校たちを煽るシーンは、お前が元凶やろ⁈と思わず突っ込んでしまう。
天皇へポツダム宣言受諾に抗議しに訪れるが、”サザエ”の例え話の失言を諌められるところも、偏見と頑なな思想が陸軍の強硬派を体現しているように見える。
実際、皇居内の宮城(きゅうじょう)事件として歴史に残るクーデターで近衛師団長が殺され、偽命令書で陸軍部隊が集結し一触即発の事態だった。
キャストで意外な俳優たちが特別出演しているので、探す楽しみも。
【忘備録】ネタバレ無し
(主要人物)
・阿南惟幾(陸軍大臣)
- 役所広司
・昭和天皇
- 本木雅弘
・鈴木貫太郎(内閣総理大臣)
- 山﨑努
・迫水久常(内閣書記官長)
- 堤真一
・畑中健二(陸軍少佐、軍務課員)
- 松坂桃李
(宮中)
・香淳皇后
- 池坊由紀
・木戸幸一(内大臣)
- 矢島健一
・平沼騏一郎(枢密院議長、元首相)
- 金内喜久夫
・藤田尚徳(侍従長)
- 麿赤兒
・三井安彌(侍従)
- 植本潤
・入江相政(侍従)
- 茂山茂
・徳川義寛(侍従)
- 大藏基誠
・戸田康英(侍従)
- 松嶋亮太
・永積寅彦(侍従)
- 岩寺真志
・岡部長章(侍従)
- 中村靖日
・侍従
- 山田啓二
・蓮沼蕃(侍従武官長)
- 姉川新之輔
・保科武子(女官長)
- 宮本裕子
(内閣)
・米内光政(海軍大臣、元首相)
- 中村育二
・東郷茂徳(外務大臣)
- 近童弐吉
・安井藤治(国務大臣)
- 山路和弘
・左近司政三(国務大臣)
- 鴨川てんし
・下村宏(情報局総裁)
- 久保酎吉
(外務省)
・松本俊一(事務次官)
- 長澤壮太郎
(陸軍)
・梅津美治郎(陸軍大将、参謀総長)
- 井之上隆志
・田中静壹(陸軍大将、東部軍管区司令官)
- 木場勝己
・高島辰彦(陸軍少将、東部軍管区参謀長)
- 奥田達士
・森赳(陸軍中将、近衛師団長)
- 髙橋耕次郎
・芳賀豊次郎(陸軍大佐、近衛師団第二連隊長)
- 安藤彰則
・東条英機(陸軍大将、元首相)
- 中嶋しゅう
・杉山元(元帥、前陸軍大臣)
- 川中健次郎
・土肥原賢二(陸軍大将、教育総監)
- 清水一彰
・吉積正雄(陸軍中将、軍務局長)
- 桂憲一
・荒尾興功(陸軍大佐、軍務課長)
- 田中美央
・水谷一生(陸軍大佐、近衛師団参謀長)
- 香山栄志
・林三郎(陸軍大佐)
- 柏村栄行
・井田正孝(陸軍中佐、軍務課員)
- 大場泰正
・竹下正彦(陸軍中佐、軍務課員、阿南陸軍大臣の義弟)
- 関口晴雄
・椎崎二郎(陸軍中佐、軍務課員)
- 田島俊弥
・稲葉正夫(陸軍中佐、軍務課員)
- 小林且弥
・白石通教 (陸軍中佐)
- 本郷壮二郎
・古賀秀正(陸軍少佐、近衛師団参謀)
- 谷部央年
・窪田兼三(陸軍少佐、通信学校教官)
- 青山草太
・佐々木武雄(陸軍大尉、横浜警備隊長)
- 松山ケンイチ(特別出演)
・上原重太郎(陸軍大尉、航空士官学校教官)
- 松浦海之介
・藤井政美(陸軍士官学校附属大尉)
- 戸塚祥太(A.B.C-Z)
(海軍)
・豊田副武(海軍大将、軍令部総長)
- 井上肇
・大西瀧治郎(海軍中将、軍令部次長)
- 嵐芳三郎
・岡田啓介(海軍大将、元首相)
- 吉澤健
・古川(海軍少佐、米内海相副官)
- 原田遊人
(阿南家)
・阿南綾子(阿南陸軍大臣の妻)
- 神野三鈴
・阿南喜美子(阿南陸軍大臣の長女)
- 蓮佛美沙子
・阿南惟晟(阿南陸軍大臣の次男)
- 三船力也
・阿南惟道(阿南陸軍大臣の五男)
- 稲田都亜
・秋富(阿南喜美子の婚約者)
- 渡辺大
(鈴木家)
・鈴木たか(鈴木首相夫人)
- 西山知佐
・鈴木一(首相秘書官、鈴木首相の長男)
- 小松和重
・鈴木布美(一の妻)
- 小野愛寿香
・鈴木孝雄(鈴木首相の弟)
- 福本清三
(NHK)
・館野守男(NHK放送員)
- 野間口徹
・保木玲子(NHK放送局員)
- 戸田恵梨香(特別出演)
(その他)
・絹子(陸軍大臣官邸の女中)
- キムラ緑子
【ロケ地】
・神戸大学六甲台キャンパス
- 宮内省内観
・兵庫県公館
- 宮内省外観
・大覚寺
- 鈴木が昭和天皇から大命降下を受ける
・橿原神宮
- 鈴木、阿南が昭和天皇の侍従時代の回想
・旧東郷平八郎邸宅
- 鈴木私邸
・京都府庁旧本館
- 陸軍省外観
・旧京都市立清水小学校
- 陸軍省軍務課・軍事課
・神戸税関
- 東部軍管区司令部
・藤井彦四郎邸宅
- 阿南私邸
・旧乾邸
- 総理官邸