140字プロレス鶴見辰吾ジラ

シチズンフォー スノーデンの暴露の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

3.6
俺の知っていることをありのまま話すぜ…

超現実的ドキュメンタリーとジャーナリズムのスリルとスペクタクル。

今年は「カルテルランド」というメキシコ麻薬戦争を描いたドキュメンタリーが面白かった!そして今作はアメリカの通信傍受の暴露を描いた「シチズン・フォー」も唸る。両者とも現実で起きたフィクション的なまでのノンフィクションに向き合って勝負をした意欲作。超国家アメリカを敵に回しての暴露の顛末は、巨大すぎる合衆国に対しての挑戦状として、スノーデン氏が窓際に立つだけで狙撃されるかも!というスリルがドキュメンタリーなのに溢れてくるのが何とも理解の及ばない世界の話になっている。

スノーデン氏は役者ではないがホテルの一室で髭を剃り鏡の前で髪を決める仕草含め、これがドキュメンタリーであることを忘れ、悪い冗談か何かではないか?というフィクションへの疑い、信じ難い真実に対して、一歩引いてしまうような非当事者意識を醸し出している。