Lewis

シチズンフォー スノーデンの暴露のLewisのレビュー・感想・評価

3.9
ナンダコレ!!
映画なのか?コレが現実というから、衝撃。衝撃ドキュメントを淡々とみせられる。

が、ドキュメンタリーのはずなのに、作り物では?と混乱してしまうほどの内容。

だって、スノーデンの生の声は、セリフのように洗練されてるし、イケメンだし。内容がSFやスパイ映画のように恐怖だし。映像の切り方や撮り方がなんか出来過ぎな感じ。だけど、ドキュメントなんだ…

こんな難しいことを、わかりやすく、かつ人間らしい感覚にのせて表現できる人間て、リアルに存在するの??ほんとに台本ないの?一人で考えて行動して発言してるの?

ヒーローじゃん!こんなクレバーで、正義感のある、イケメンな人間が存在してるってことが、なんかすごい。

技術職ってちょっと偏見だし失言だけど、もっとオタクっぽいというか、個人主義的というか、コミュニケーションが不得手というか…何というか、そんな感じに捉えてた。

なのに、この聰明さたるや。

「僕が病気で休んでるって?ははは」

そんなばかな、って鼻で笑ってるけど、

無知な私から見たら、
「電話機は通話してなくても盗聴器になるから、ケーブルは抜いておこう」
「監視カメラから隠れるためにマントに包まれてPC打ち込もう」
「SDカード挿しっぱなしはダメだよ、抜いておこう。ここに置いておくね」

って、ごめん精神疾患をまずは疑っちゃうもん。盗聴妄想?みたいな。

って、本当に妄想じゃなくてリアルに盗聴や情報漏れの危機にさらされて、
国を相手に告発するってなって、
恋人にも真実を伏せて、
スパイ映画さながらな逃亡劇を強いられたら精神病むよ。

いやしかし、ほんとにイケメンでびっくり、だからドラマチックだし、ドキュメンタリーをこんなに長時間見てられるのだと思う。天は二物も三物も与えたのね…


さて、世の中はこれから何と戦うことになるのだろう。情報収集についての技術は、国ができるなら民間でも出来ちゃうだろうし、そうなるともう、事実に激似な虚像が作り上げられて、その虚像に引っ張られて実体が引きずり落とされそう。何が真実で何が現実なのかもわからない。知恵や力のあるものに、いいように使われていくのだろうかなぁ。

我々は便利さと引き換えに、重要な情報をリスクにさらして生きてるってことなのか。

今までプライバシーと自由の関係を考えることなんてなかった。プライバシーを失うということは自由を失うこと。
この危機的状況に今の世代は脅かされている。長い長い歴史の中で勝ち取ってきた市民の自由は、こんな形でまた、国に脅かされているとは!

これ、きちんと教育の中で考えていくべき内容なんじゃないのかな。実はもう社会とか道徳とかで取り上げられてるのだろうか。

身近なところで、本当に自由になるには、山奥のケータイ圏外エリアくらいなのか…?いやいや、何から逃げてる?


映画の終わり方は、ブラックだし映画的だよな…セリフじゃん、ドラマじゃん、あんなの。ちぎった紙切れに黒幕として書かれたPOTUSの文字。

最後までスタイリッシュすぎるドキュメンタリー!怖い!
Lewis

Lewis