糸くず

シチズンフォー スノーデンの暴露の糸くずのレビュー・感想・評価

3.8
まるでスパイ小説のような出来事が現実に起きているのだが、「わたしたちの個人情報が徹底的に収集され、監視されている」という事実への恐怖よりも、そうしたことが一人のエンジニアの告発によって暴かれていくことへの興奮が勝ってしまうのは、わたしがあまりにも鈍感なのだろうか。

プライバシーが基本的に守られるべきものなのは理解しているのだけど、一方で、「わたしの個人情報は、もはやわたしの手からはるか遠く離れた場所で管理され操作されている」という感覚が強くあって、わたしの努力で守れるプライバシーなどたかがしれているのではないか。ある意味では、わたしのプライバシーの一部は「あってないようなもの」だと思う。結局のところ、監視とプライバシーへの介入によって明確に危害を加えられない限り、わたしは目覚めないのかもしれない。それではもう遅いのだけど。

面白いけども、単純に「面白い」って言っていいのか迷ってしまう。
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