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マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章のmajimakiraのレビュー・感想・評価

4.5
第二章があったことに遅れて気付いたため、とても嬉しい。

原題でもあたまに”THE SECOND”がつくが、それはストーリーの中で解る、事業拡大を目指すマリーゴールド・ホテルのステップを表す文字通りの意味も兼ねている。

カリフォルニア・サンディエゴの眩い陽光で始まったことに驚き、そこから始まる支配人・ソニーの事業拡大への挑戦と、その流れでマリーゴールド・ホテルに送り込まれる調査員を巡るエピソードの、一周回る意外な展開を楽しめる。

それと並行して描かれる、ソニーとスナイナの結婚式準備と、前回からの滞在客たちのさまざまな変化や前進。
一見、若いソニーたちと対照的に描かれるようなセカンド・ライフ組だが、それでいて、やはり人生を通して普遍的な真理のような、迷いと気付きを繰り返しもちながら少しずつ前に進むことの尊さを伝えてもらっている気持ちになる。

ビル・ナイ演じるダグラスに離婚を突きつける、一見冷たい妻も、その心中で多くの迷いと、自己嫌悪を抱いており、そんな姿にもささやかなスポットを当てるところがこの作品らではだなと感じる。

また、何気なくそばにいる貧しい労働者や運転手たちと、いつしかささやかな思い遣りや淡い恋心を交わすようになるシーンもとても優しい。

前作の名優陣に、リチャード・ギアが加わり、結婚式のパーティーダンスや、ハネムーン見送りの数台のスクーター「ニケツ」シーンでは、彼らが見せてくれる一体感と絆の温かさがとても素晴らしい。

シリーズ2作品を通じ、
年齢を重ねることをより丁寧に、且つ力強く前向きに受け止め、先々その価値を少しでも多く感じられるように日々を生きていきたいと思った。
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