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合葬のmanamiのレビュー・感想・評価

合葬(2015年製作の映画)
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ちょっとしたきっかけさえあれば今にも踏み外してしまいそうな危うさ。どんな困難に遭っても己の信念を曲げない真っ直ぐさ。柳楽優弥持ち前の二面性が突き刺さる。「極」って名前もすごいな、パワーが溢れてるな、ただしお酒の名前みたいでもある。
そして瀬戸康史も岡山天音も良い。あんまり時代劇らしくはないけど。幼馴染み3人、前半のワチャワチャは微笑ましくて、それがあってからの後半だけに、関係性の変化によけいに胸が苦しくなる。
さらにはオダギリジョー。のらりくらりとし雰囲気から、またしても色気がビャービャーだだ漏れです。物理的にも精神的にも行き場を失くした若者をまとめ上げるリーダー役。でも彼がこういう役を演じると、何か裏があるに違いないとどうしても疑っちゃうわ。
ストーリーは分かるような分からないような。盛り上がりもあるようなないような。そして意図的にそう作ってるようにも感じられる。カヒミカリィのナレーションといい、似つかわしくないBGMといい、なんとも不思議な雰囲気が漂う。
冒頭のおどろおどろしいエピソードは何だったのか。ああいう流れのお話でも面白くなりそう。でも結局はアレの正体とかも特に語られずじまい、ほんと何だったんだ。
中盤で挟まれる怪談話や笛の音の件と合わせて、「忍び寄る死の気配」を表してるんだろうか。

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