2019-03-18
樹木希林主演作&河瀬直美監督作。
「萌の朱雀」からウン十年、河瀬作品はこれで二度目。心の移ろいを風景で描く手法は変わらず。更にストーリテリングが巧みになってました。完璧に芝居が出来る俳優を起用して、彼等の化学反応でドラマが生まれていく。永瀬さんも樹木さんも抜群の演技力。これぞ日本映画って感じでしたね。とにかく全てが自然で納得のいくドラマの運び具合で無理がない。作り上げていくというより流れていくという印象。妙にセンチメンタルにもならず、ただ淡々と。社会に潜む差別もさらりと。社会問題視しないであくまで日常の延長線上にしているところも共感できました。映画の普遍的なテーマ、喪失と再生をストレートに描いても全然説教臭くない。傑作でした。