笑いどころも多く愛らしい作品だけど、他人の痛みに共鳴する強さが芯の部分にしっかり据えられているんです。
他愛ない会話に見え隠れする、世間に埋もれた不条理な哀しみ。そこに対する河瀬監督と樹木希林の息遣いは、生半可なことはしてられないっていう覚悟に満ち溢れていました。
それから近所の女学生に扮する内田伽羅ちゃん！「その辺にいそう感」がこれまたいいのね。決して上手じゃないんだけど、是枝仕込み"素材のまま演技"が凄く親しみ易い雰囲気に出来上がってました。ぶっきらぼうな永瀬正敏がなぜ愛着持ってるかってのにも妙に納得いくし、我らの善き娘って存在感が愛さずにいられなかった。
