なお

バケモノの子のなおのネタバレレビュー・内容・結末

バケモノの子(2015年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

■映像
背景がとても素晴らしいです。
渋谷の多数の人を違和感無くCGで動かした事が取り上げられてましたが、私はバケモノの国に入っていく、そして入った後の世界観がとても好きです。
「千と千尋の神隠し」の異世界への入り方よりハリーポッターの魔法の世界への入り方の方が好きな私にはとても素敵な入り方に感じさせました。入った先がブラジルやモロッコ等色んな国の素敵な所を混ぜた素敵な世界に描かれていました。
また、クジラの登場シーンが美しくて幻想的で怖くて素敵です。

その分、人物がどのシーンでも一色ベタ塗りのため、影絵を見ているかのような違和感があります。
ここまで作り込んでいる背景やクジラとは合わず、浮いてます。せめてアップのシーンだけでも三色で影があればなぁと感じます。

表情は「おおかみこどもの雨と雪」よりはあります。あちらは一番キレイに見える顔ばかりを見せているようでイラストのように表情に乏しく、似た顔が多かったのですが、「バケモノの子」では表情がいくぶん豊かでした。ただ、九太が大人になるとイラストっぽく表情が乏しくなり、感情移入しにくくなりました。

■BGM
あまり印象に残っていません。

■ストーリー
「おおかみこどもと雨と雪」と似たテーマです。
子供の視線で行くと子供の世界から脱してどの世界でどう生きるのかを現実と理想の中で選びとる過程を描いている。
親からするとその分過程を一緒に生きる難しさを感じさせます。
誰もが感じる過程を細田監督の世界観がより具体的に、分かりやすく大袈裟に具現化している感じです。

出来れば九太が宗師を巡り成長していく過程を見たかった。
ポスターに、「キミとなら、強くなれる」とあるのにその過程が描かれていない。
それともこの文章は熊徹と九太が腹をくくったところ迄を示しているのか。または、最後のクジラと戦うシーンを示しているのか。

また、九太がいきなり成長して人間界と接点を持つようになったところが若干ついていけませんでした。

同じく一郎彦の闇落ちも唐突でした。
二人の友情とか、確執とかのシーンがあればあのシーンでもっと盛り上がったのではないかと思い残念に感じます。
まぁ、そのような盛り込みはジャンプなどでいろいろあるため逆に入れるとクサくなるのかもしれません。想像させたかったのかもしれません。ですがちょっと物足りなかった。

一年間放送したアニメの映画化(ダイジェスト版)のような感じ。

■キャラクター
■九太
青年になった彼の行動があまりよく分かりませんでした。
知らない世界を知ることが楽しかったから熊徹から結果離れることになったのでしょうか?それとももう自分は十分強くなっており学ぶことはないと思ったのでしょうか?描かれていませんが、バケモノの世界は人間には生きにくかったのでしょうか?
それだと「おおかみこどもと雨と雪」と同じ選択の仕方ですね。生きやすい方を選択した。と。

■多々良
「ハウルの動く城」のカルシファーや「千と千尋の神隠し」の番頭蛙、スターウォーズのR2D2,C-3POのようにアクセントになってます。彼がいることで楽しい映画になっていました。
なお

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