結局カレー

バケモノの子の結局カレーのレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
3.7
こんなん好きに決まってるやんか〜〜〜不器用でガサツな一匹ものが孤独な少年を育てながら自分も成長していく。それは師弟であり、親子のようで、友人にもみえる。似たもの同士だからこそ、ぶつかるし自分を重ねる。師に学び、子に学ぶ。アツいよ〜〜〜喧嘩するほど仲が良い2人の関係性すごく好き。

バケモノなんていうからもっとバケモノに対して畏怖の感情が描かれたり人間との対立構造が中心になるかと思いきやなんとも温かい世界。バケモノたちは最初こそ人間に抵抗感はあれど排斥しない。そうかこれが人間より神に近しい存在か。心の闇がまるで人間である証みたいで、厄介なのはいつだって人間ねなんて思ったりした。

熊徹と向き合うことが嫌になって逃げ出した先でふと戻った人間界。子どもから大人へ移り変わる年頃は自分の過去や未来をふと見つめ無性に”今”から逃げたくなる。九太は人間に生まれバケモノに育てられた特殊な存在のようで、その辺の子たちと同じような葛藤に苛まれることにどこかホッとした。最後2人の想いがすれ違ってしまうのかなとドキドキしたけど、思いもよらぬ形で交わり合って流石に泣いた。

おおかみこどもチームのキャスト陣ががっつり再登板されてて変わらない優しさを感じつつ役所広司×リリフラ×大泉洋という俳優界きってのエエ声オジ様たちがグッと深みと説得力を持たせてくれていいバランスだった。世界観ののめり込み具合で言うともう一歩踏み込みたかったな。自分の中の刀は強く握ってたいね。