これを夜の渋谷で観たのは正解だったわー。映画館出たあと同じ風景を楽しんだわ。
個人的には時かけの次に好き。物語に起伏があるし、何よりオーラスの盛り上がりが近年4作品で最もあった。
映画はやっぱりビジュアルだと思うし、ラストでああいう巨大なクジラという強欲な被写体は大事。
渋谷の街を放浪していた少年・九太が ばけものの街に迷い込み、熊徹と親子のような師弟関係で生きる、という前半。
お互い他人を寄せつけない二人の絆が繋がっていく物語。ここがグイグイ引き寄せられる。
一郎彦というライバルキャラ、弟の二郎丸との友情。この辺が上手く前振りになって後半拾われてる構成も唸る。
中盤、青年になった九太がヒョッコリと人間界に戻るんだよな。嘘ぅんって展開。
良くも悪くも、話が一気に切り替わる。ばけものの世界が時間が永久にあるかの様に穏やかだから、この展開のギャップに戸惑う。
長年会わなかった父親と再会。突然現れた彼女。
む…そうくるか⁉︎の連発。
人間界でダレ場の間、主人公不在のばけものの世界でピンチが進む。こういう脚本の上手さは感心する。
後半の畳み掛けも本当に熱い。
細田守が4作目にして、安定した作品を供給する監督になったと確信したわ。
これからも傑作に期待。