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怒りのsunflowerのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.2
息が詰まるような重さが、これでもかとズシンとのしかかって来る作品でした。

あまりの胸糞に呼吸が止まってしまうシーンの数々。

個人的に最も卑劣で大嫌いな犯罪のシーンがあった。(広瀬すずちゃんが被害に遭ったシーン)

そしてそれを目撃しながらそっとカーテンを閉めて警察に通報すらしなかった女性。
あの女性にも、相当の怒りを感じた。

沖縄って、あれが日常なんですか?
あんなのを目撃しておいて誰も助けに行かない、なんなら通報すらしないなんて、尋常じゃない。
相当ヤバくないですか?
闇が深過ぎる。

この作品には様々なベクトルの怒りが渦巻いているが、観ている私達の中にも怒りの感情が引き起こされて、作品の中も外もそこらじゅうが怒りで充満するという、闇に覆われた空間が生まれた。

こんな手法で政治的メッセージも入れ込んだ監督の手腕が凄い。

でも何よりも全役者陣の演技が凄いのなんのって。
全員が全員主役クラス。
よくあれだけの俳優を集結させられましたね。
個人的な収穫は佐久本宝さん。要注目。



この作品をもし映画館で観たとしたら、暫く呆然として立ち上がれないだろうな...。
まだ胸に残る重たい余韻に、この作品の素晴らしさを体感する。


ーー個人的メモーー

唯一好きだったシーンは、愛子が田代君を連れて帰るところ。
最初は連れて帰られる側だった愛子が、誰かを連れて帰る側の人間に成長していた。
そしてその成長を自分が一番よく分かっていた愛子の、自信にみなぎる瞳が印象的だった。
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