くますけ

怒りのくますけのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

人を信じること。それは愛するより難しいことなのかもしれない。
そして愛していることが必ずしも信じる理由にはなり得ない。

物凄かった。物語が進むにつれ、頭が痺れた、呼吸が浅くなり、胸が詰まった。
それは展開であり、演出であり、映像であり、そして演技であり。
ふと気がつくと、隣の他人はポップコーンを食べる手が止まり、映画館中が張り詰めた緊張感で満たされているようだった。

役者が全員、まさに精魂込められた演技を魅せている。圧巻だ。
宮崎あおいちゃんは今までにない役を演じているが、ラストの顔のシーンをみて彼女であることに納得。
妻夫木&綾野のラブシーンは男女のそれくらい自然で違和感なかった。
広瀬すずちゃんは、ここへきてまさかこの役をやるとは思わなかったな。正直驚いた。でもだからこそ女優という仕事に対する真剣さを感じた。
そして沖縄の少年役!
最後の田中と対峙するシーン、凄くよかった。彼の純粋と絶望。ガラガラと崩れていく音が聞こえるようだった。
それから水澤さんね。あの顔の傷はメイクではなく、役作りで自分で傷付けてきたそう。
そのエピソードからも伺える徹底した役作りは重要な証言をより暗闇に染めていた。

ところで、モンタージュは千葉・東京・沖縄で変えているそうだけど、事件の犯人は森山くんが演じているんだろうか?
私にはモンタージュ同様、時に松ケンに、時に綾野剛にも見えたんだけど…
ああああ、もう一度観たい!
くますけ

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