kaoru

怒りのkaoruのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

観た後なんとも言えない気持ちになった。ほぼほぼどんよりしていたけど。

ただひとつ言えるのは俳優さん女優さん、どちらもすごい人ばかりだった…本当に現実にいる人たちの人生を覗いて見ていた感じ。こんなに有名でかつ実力のある方たちが出ている映画を観られるってすごい事だよね。

最初からすごい、殺害現場に一緒に入っていく感じ。
どこに何が誰がいるかわからない中を進むことほど恐ろしい事ないよね。犯人だっているかもしれない。
垂れてくる汗が真夏の暑さだけじゃなく、その緊迫感をすごい表してた。
血文字なんて、今までもテレビとかで見てきたかもしれないけど、こんなに怖さと不快を感じた事はない。

東京、千葉、沖縄での話がうまく繋がって場面が変わっていくのは見ていておもしろいし感動する。

ラスト犯人の動機がまさかそんな事で?ってあっけなかった。
小さな思いやりが死に繋がるなんて…ありがた迷惑って、言葉もあるけど…
誰が悪いんだろう?
やさしさ?ねたみ?

千葉編。
うますぎるが故に宮崎あおい演じる愛子の感じにどこかイラっとした。
松山ケンイチのあの不気味な感じ、正直彼が犯人?って割とずっと疑ってかかってた。だから、実は愛子に話した内容が本当だと知った時、わたしも悲しかったし、愛子の泣き崩れる姿には胸が苦しくなった。
でも、最後、一緒に帰ってきてくれてよかった。

東京編。
出会いが本当に衝撃的で!ビックリした。
妻夫木聡のグイグイなところも綾野剛の儚い感じもどちらもわたし的には意外だったけどよかった。
弁当直そうと必死な綾野剛にキュンとしてしまった(*^ω^*)
徐々に彼らが信頼しあっていく姿を見て、どうか彼だけは犯人ではないように…と願ってしまってた。
そして、彼が失踪してからまさか亡くなってるなんて。
信じられなかった事で最愛の相手と一生会えないなんて。

沖縄編。
正直、一番の衝撃。
はじめの無邪気な出会いのシーンがあるからこそ、後半がより残酷に感じる。
ニュースなどで耳にしていても、そういった映像を目にしてしまうと、実際に起きている事なんだから、目を背けてはいけない事だって感じた。
森山未來ってやっぱりすごい。
怪しい雰囲気あったのに気付いたら容疑者感が薄れてた。なんで信じられるか彼は少年に聞いてたけど、本当だよね。
途中から豹変していく様子は本当に怖かったし、少年がひとりで無人島にいって例の血文字を見つけた瞬間はホラー映画並みにゾクっときた。
そして、本当にクズ野郎だった…こんな言い方したくないけど、あの出来事をただ見ていてウケるだなんて。死んでも言ってほしくない。
少年にはあんなやつのために殺人者になってほしくなかったよ。
やり場のない怒り、哀しみ、広瀬すずの叫びが虚しかった…。

信じるってなんだろう?
でも、理屈じゃない気がする。
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