なんで感想を書いてなかったのか。どう書いたらいいか分からなかったからである。この映画は絶対に映画館で観たほうがいいし、その記憶を上書きしないよう、小さいスクリーンで見直したりしないほうが良い。だって、シアターの後ろから大きな音がしたとき、本当に映画館が壊されると思ったもん。そんな経験は邦画でないとできないし、そんな邦画は少ないのである。あと事前情報が少ない、公開してすぐが良いのも間違いない。
ハリウッド大作で、私としては面白いんだけど、向こうの評価が低いというケースがあるが、実はこの没入感の問題なのかもしれない。我々が日本で見ても、しょせん没入感には限界がある。しかし彼らは普段から、これぐらいの感じを味わっているのだ。だが、ちょっとセリフが馬鹿っぽいだけで没入感は損なわれる。我々に捉えきれない違いは絶対ある。
感想が書けないもう一つの理由は、５点をつけたいか？というと悩むからだ。どんなによくできているといっても、これはパニック映画でしかない。人情噺が好きな私の趣味ではないのである。芝居として面白いのは主人公に水を投げてよこす親友ぐらいだった。女優も、市川さんは悪くないが、石原さとみは完全にミスキャストでもあり、キャラ自体が不要である。米国から離れて日本が動くことが難しいという問題はもっと重い。
それでも作った人たちが目指したものが、過不足なく私に伝わってきたという一点において、本作の完成度は高い。岡田斗司夫も言ってるように「日本人という集団が主人公」のドラマを引っ張るのに、長谷川君ぐらいのフツーさは、悪いけど？ピッタリだった。日本人はいつも周りを見て、合わせようとする。なのに外国のマネはできなくて、劣等感を持ちやすいけれど、なかなか、今の私達のままでも立派に対処していけるんじゃないの？っていうポジティブなメッセージが本作のキモであろう。ラストの総理大臣が全部持ってった感がある。
日本人は戦争に負けてから本気出した。ゴジラによる破壊は、空気の入れ替えであり、むしろテンション上がるところがある。2011年の大震災のような悲惨な描写はされないし、全体としては勝ち戦である。もう二度と戦争はしない、と決意するのは負けた側だけだ。これで日本人が自信を持ちすぎるのも問題かもしれない。とにかく、よくできた映画だったと言うしかないし点数は悩むが、石原さとみで0.5減点としておこう。
余談だがこの石原さとみとか、長澤まさみとかって、10代の頃はすごく可愛かったのに売れなくて（朝ドラに出たのにイマイチって感じ）、25過ぎて薹が立ってから異様に売れだすってのは、やっぱり女の嫉妬じゃないのかと思っている。年をとっても女優としては大したことないし・・
