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シン・ゴジラのcamusonのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.8
日本でも制作費をそれなりにかけて、本気で創れば、
海外映画に負けないパニック映画が十分成立するんだな~と、
改めて感じ入りました。

62年前に公開された初代ゴジラが到達していた境地なのですが、
長かったなと。ようやくそれを超えれたなと。

ま、ゴジラシリーズはこれまでに初代ゴジラ以外見たことがないんですがね。


映像のリアルさ、グロテスクさ、迫力は、
怪獣映画の頂点と言って過言ではないでしょう。
ただリアルだけを求めると、ハリウッド的になってしまうのですが、
リアルさを捨ててケレンを付加しているところもあり、
そのさじ加減がたまらんです。

話としては国家の災害対策にフォーカスしているのですが、
真面目かつ滑稽で、緊張感と笑いのバランスが絶妙です。

エヴァンゲリオンを観たことがあれば、さらに楽しめ、
終始ニヤニヤすることができます。

思いっきりネタバレになりますが、
キモカワイかったシャムシェルから、かわいさを引いて、
腐ってやがる早すぎたんだ的な生物的なグロテスクさを、
とことん突き詰めた造形です。
(後日修正:かわいさを引いて→かわいさはそのままに)


キャストに石原さとみが入っていることに一抹の不安を感じていたのですが、杞憂でした。
(これまでCM等で見かける裏が透けて見えるわざとらしい演技が嫌いでした)
今回ちょっと見直してしまいました。

カヨコ・アン・パタースンと名乗り、英語混じりの日本語をしゃべる米国大統領特使という、
作品内でも随一にマンガチックでわざとらしいキャラがあてがわれていて、
ムチャぶりもいいところなのですが、
(おそらく、機動警察パトレイバーの香貫花・クランシーのような日系辣腕才女のテンプレートを意識)
熱演が結構ハマっているんですよね。新たな発見でした。

制作陣の本気度、熱が役者にも伝わるものなんだなぁと思いました。
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