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シン・ゴジラのsithmaroのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.0
シン・シリーズ第1段。
ゴジラ映画と言うよりも、ゴジラをモチーフにした別の怪獣映画という気がしなくもない。
好きだけど。

正確には怪獣映画というジャンルに当てはめても良いのか?と悩むくらいに政治の色が強い。
54年版や84年版もかなり政治の部分にスポットを当てた映画ではあるのだが、それらをさらに凝縮したような印象を受ける。
個人的には『ゴジラ-1.0』のような末端の人物からの目線よりはこの作品のようなベクトルの作品の方が好きだ。

ここまで徹頭徹尾、人間ドラマを廃した映画というのも珍しいかもしれない。
一方でゴジラという非リアルな存在に対して、徹底的に設定を作り込むことによって説得力を持たせることに成功している。
いや正確には観客に考える暇を与えず、情報量の多い台詞を演者が早口で捲し立てることで錯覚させているというべきかもしれない。
一方で登場人物が難解な台詞を語っているとはいえ、ストーリーそのものは割とシンプルなのでさほどストレスを感じることもなくサクサクと進むテンポの良さが魅力的。

何度も観るくらいには好きな映画ではあるが、ただ1人どうしても受け付けないキャラクターがいる。
それは石原さとみ演じるカヨコ・アン・パタースン。
彼女だけこの作品で浮きまくっていると感じるのは私だけだろうか?
なんでこんなキャラをぶち込んでしまったのだろうか?理解に苦しむ。
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