ゴジラという生きものは、ほんとうに羽田沖にひそんでるんだ。いや、ひょっとしたらこの新宿のビル群の裏に、もういたりして…。なんて妄想が、あまりにリアルな映画だったから観終わったあとにふくらんで、しばらくその世界から抜け出せずにいます。はぁ、すごいものを観てしまった。
リアルというのは映像もそうなのだけど、それよりもゴジラという人智を超えたものが突如襲ってきたときの、人間の、いや日本人のふるまいについて。
機能しなくなる官僚的組織や責任のがれ的態度、そのなかで奮闘する個人たち。もし本当にゴジラ的なものが日本を襲ったら、こんなふうに僕たちはふるまうのだろうなと、納得感があります。
それはこの映画が、3.11後政府の対応やひとびとのふるまい、第2次大戦のころにも存在した日本的組織のありかたなど、現実世界の文脈にしっかり根ざして作られているからでしょう。
そうした現実の文脈と、ゴジラという映画の文脈、そしてエヴァの文脈、それぞれに目配せをしながら、まったく新しい物語を作り上げたのはすごい。1800円を払ってでも一度、といわず2度3度と観に行きたい映画です!みなさんぜひ!!