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シン・ゴジラの346のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.0
いやぁ。感慨深い。
ゴジラにこんなに人が入ってるなんて…。ゴジラがオワコンだったのは、平成ゴジラで育ってきた世代の共通認識だったわけで。

それに、映画館で観るゴジラで初めてと言ってもいいぐらいにワクワク出来たのも嬉しかったな。もともと個人的にvsシリーズが嫌いだったのもあるけど、平成ゴジラなんて子供すら騙せないクオリティーだったと思う。人間ドラマがしょぼすぎて何にも緊張感がなかった。邦画の悪いとこの詰め合わせみたいな感じ。そりゃ楽しんだふりはしてきたけど、毎回、観に行くたびに、しこりが残るのが常だった。vs怪獣じゃなくて、ゴジラvs人が観たいのにっていつも思ってた。

だから、ここにきて、ようやく初代ゴジラと肩を並べるクオリティーを持った作品が出来た!…と言ったら、さすがに言い過ぎだな笑。

なぜなら、ちゃんとありました。ひどい場面や、ひどいキャラクターが。冒頭の糞みたいなアフレコはなんなのか?とか、アニメでは成立するだろうけど、石原さとみのキャラクターは実写では不可能だよ。とか。

あと脚本でいうなら、ゴジラの休眠状態以降が間延びしすぎ。あの暴走は本当に怖かったし緊張感があったからこそ、あそこで観客も少し冷めさせてしまう気がする。本当はあそこが人間ドラマが一番映えなきゃいけないのに、前半の焼き直しでしかなかったのと。どうしても、先の暴走をゴジラ自体が超えなかったのは残念だった。もちろん予算的な問題はあるだろうけど。

演出では、芝居に変化がなさすぎた。彼らはゴジラと対峙することで成長するんだから、表情ひとつとっても、最初と最後では違う必要があるのに、逆算して演出が出来てないから、代わり映えのないテンションでカタルシスに欠けていた気がする。それに、最後まで、感激を表現しない感じは少し過剰だったようにも感じました。


そんな感じで、数をあげればキリがないほど他にも不満は出てくるんだけど、それに目をつぶってあげたくなるぐらいの魅力が、このシンゴジラにはあった。ちゃんと怖かった。

とりあえず、押井守はこれを観て何を言うのかが気になる。あと宮崎駿のコメントも聞きたい。
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