中重優

シン・ゴジラの中重優のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.8
海外版GODZILLAの後に公開された
"エヴァンゲリオン"の庵野さんが
監督、脚本をされた作品。
僕自身は、過去作に関しては未鑑賞で、
モスラの歌を覚えている程度です。

最初に登場するゴジラの第一形態が、
ちょっとグロいというか…
怪獣というよりクリーチャー?みたいな感じで、
受け入れ難かったが…
その後のフォルムは海外版とは
違う格好良さもありました。
ただ光線を放つ時に口が割れるのは
必要だったんだろうか?
普通に放つだけでも格好いいと思うのだけど…。
背中からの光線乱れ打ちや
今作のゴジラは"地球を汚す人間への怒り"が
表現されておらず…
過去作を観てきた方々はどう思ったのか気になる。

今作は、ゴジラとの戦いというより
不測の事態に対する政府の対応に
より焦点が当たっている為、
このコロナ禍での状況では、
特にリアルに感じる事ができた。
法律の縛り、各省庁の責任の押し付け合い、
総理大臣のリーダーシップと決断力のなさ、
何段階にも分けられた指令網による遅延、
周辺国との利権争いなど…
政府の動きの鈍さや日本という国の立場の弱さは
現実でも似たり寄ったりなのではないだろうか?
必要な政治的根拠や行動があるのは、
十分理解できるし、大勢を救う為に、
少数を犠牲にするのは致し方ない事もあるが、
それにしてもあたふたしてる内に出る
被害が多すぎる。
いろいろな意味で難しさ、もどかしさを
感じる作品でした。
だからこそ現実にゴジラが現れたら?という
リアルさを実感できましたし、
ただのフィクションとは違うなと
好印象を受けました。

庵野さんが監督ということで、
随所に溢れるエヴァ感は、
わざわざゴジラに入れる必要性があったのか?と
思う方が居てもしょうがないですね…。
だって、別に必要ではないですから。
僕自身はエヴァも好きなので、
"これも、あれも、エヴァじゃんw"と
違う楽しみ方も出来ましたが!

新幹線や在来線を武器にする攻撃は、
斬新かつ面白いなと思いました。
過去作でもあの様な攻撃があったのでしょうか?

最後は続編があるかの様な不穏な終わり方でしたが、
ビジュアルがエヴァのそれっぽくて、
続編を作るならまた庵野監督なのかなー?と
漠然と思いました。
中重優

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