大道幸之丞

杉原千畝の大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

杉原千畝(2015年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

「観なきゃいけないな」と思いつつやっと観ました「日本のシンドラーこと杉浦千畝」の映画。

まず感じたのは日本の役者の質の低さ、存在感のなさ。特に「ラストサムライ」以降小雪が「古風な日本人女性の典型」のようなキャスティングのされ方が増えたのだが、あんな顔付きは昔の日本人女性には絶対いないし、そもそも杉浦氏の実際の妻とは似ても似つかない容貌で気持ちが入っていかない。

唐沢寿明はまあ及第点だが、実際の杉浦氏は定型的な日本人の短躯体格なので、ちょっと違うなあとは思う。加えて脚本が良くない。明らかに「シンドラーのリスト」を意識し過ぎているものの、予算の関係か戦車が見たこともないみすぼらしいドイツ戦車だし、大量の安価な外国人俳優を集めるのは苦労があったとは思うが、質が維持できているとは思えない。

この手の映画はドキュメンタリータッチで撮るのが好ましく、後付の「お涙頂戴」的描写は本当に要らない。なんなら小雪の大根芝居っぷりは全部カットしても良かったのではないか。

せっかくなので当時の空気感を再現してほしかったのだが、予算もロケの限界もあり、「よくやったほう」なのだとは思うが、適っていない。本作は本来日本とポーランドの関係の深さに縁があるので、そこはしっかり描いてほしかった。

非常にもったいない映画だと思うし人には勧められない。