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時空脱獄NINJA ジライヤのうにたべたいのレビュー・感想・評価

時空脱獄NINJA ジライヤ(2014年製作の映画)
2.2
"時空"、"忍者"、"特撮"が合わさったスキモノ向けの特撮映画。
監督はあの「力-TAROU」で著名な大木ミノル氏で、数々の映画賞を受賞した有名作です。
現代にタイムリープしてきた未来忍者ジライヤと、彼を追って未来から来た忍者たちの戦いを描いた作品となっています。

ジライヤと、追ってきたオロチ、サスケやキリガクレといった忍者たちが戦うストーリーです。
忍者たちは、飛んでくる弾丸を目視で避ける、すごい身体能力でビルからビルを飛んで渡る、背景と同化して身を隠すなどの特殊能力を持っていて、バトル描写ではスローモーションや特殊効果が多用されています。
特撮技術がしょぼいという評価もありますが、個人的には予算がかけられるところと比較するのは酷じゃないかと思います。
低予算で作られたにしてはかなり頑張っていて、見れる作品でした。
人が撃ち殺される、切断されるようなバイオレンスなシーンもあって、飽きることのない70分でした。

特撮周りはむしろ感心したのですが、ストーリーは結構残念です。
というか、ちゃんと見ていたのですが、結局、なぜ忍者なのかという根本的な理由がよくわかりませんでした。
なぜ未来で忍者なのか、そもそも彼らの異常な身体能力は何を起因としているものなのかよくわからず、なにかわからないけど、とにかく彼らは忍者で、よくわからない未来技術でタイムリープしてきて、忍者だからすごい、と飲み込むしかないと思います。
そう思って見ていたのですが、タイムリープしてきた忍者が彼が生まれる前の母親に出会うシーンがあり混乱しました。
意外とそんなに遠い未来じゃないぞと、大体3,40年後には、異常にすごい忍者達がタイムリープする未来が待っているというのか、未来は明るいですね。

あと、ラストが酷かったです。
特撮はすごかった、それは間違いないんですよ。
正直、同じ映像を撮るとなると、それは途方もない労力が必要だということはわかりますが、ラストは単に、大木ミノルが巨大ロボットを出したかったとしか思えませんでした。
ここも、巨大ロボットが暴れてすごい、を受け入れられる、広い心が必要なのだろうと思いますが、さらにあろうことか、尻切れに終わります。
完全版を見ていたつもりだったのですが何も完結しておらず、ただ、スタッフロール時に流れる曲はかっこよかったです。
事態の収集できなそうな感じだったので、いい感じの音楽を流して強引にでもしめるのは、ある意味、いい作戦だったのかもなあと思いました。

とはいえ、オロチ役の役者さんは名優でしたし、特撮含め忍者アクションもかっこよかったです。
本作よりもお金かけてひどい作品はいくらでもあるので、それらに比べると(ネタ的な意味でも)見る価値はあるかと思います。