沙那王

ディオールと私の沙那王のネタバレレビュー・内容・結末

ディオールと私(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ラスト、はげしいストラボ、フラッシュが入るので、テンカン持ちの方はエンドロールに気をつけて下さい。

正直、ファッションブランドの新作だの高級品だのは、私は まるで分からない。
本社ビル?を見て、草間さんのハリボテと壁面が水玉に塗られた会社だと勘違いした。あれはルイヴィトンだった。グッチだシャネルだ、正直者、よく分かってない。
ルコックとコメリの区別が、かろうじて出来るレベルの私だ。
でも、美しいものが好き。

Diorの内部事情を、こんなに見せちゃって大丈夫かしらと心配になった。

『生地』のデザインから こだわる新入デザイナー、ラフ。
着物や浴衣の藍染、しぼり、滲んだ着色だって制作には時間がかかる。伊勢型紙を見たら、ラフは何て言うかな。日本の反物でドレスを作ったら大変だろうな😂

特注のプリント生地。『はらぺこあおむし』の作者と同じような手法。まさか洋服でやっちゃうなんて、すごい。

Diorの職人たちは手縫い。デザインを話し合い、型紙を起こすにも時間がかかる。
なのに、ラフが就任してからファッションショーまで、2ヶ月。

ラフの着てたニットのジャンバーが、めっちゃオシャレ💕多分、Diorじゃない(笑)

ヘリから眺める地上の景色。
『わたしの ワンピース』あんなもん絵本じゃない。と教育評論家からボロクソ言われたのに子供に大人気で、後に『本屋が薦める絵本』でヒットした、あのうさぎさんを思い出す。
らんらんらん、ろんろんろん。歌いながらミシンを踏む、うさぎさん。

お針子さんたちの技術力が、エグい。ミリ単位で変わると、ドレスの印象が変わる。縫い合わせ、どうなってんだろ。って形が多かった。
まぁコスプレイヤーたちも、そこを何とかクリアしてきてるから、プロの技術者たちも さすがにすごい。

イエナ通りの豪邸は、『バーバーパパの家さがし』みたいで、これまたオシャレ。
洋服を見せる会場も大切なのね。

鮭の革でドレスを作った人がいたけど、いっそ蓮の花なら透明感あるし、木蓮の花びらならベルベットみたいで…花びらでドレス作っちゃえよ。て思ってしまった。
技術者たちが妥協したくない話し合いは、すごかった。

壁いっぱいの生花。あっけにとられるほど美しい。そりゃ不思議の国のアリスもビックリだわ。

デザイナーたちがショーや雑誌特集の話をしてる時は、コカ・コーラZEROばかり気になって、ちょっと聞き流してた。ごめんなさい。

けど、お針子さんがチャコールをナイフで削ったあたりから、もぅ食い入るように見てしまった。
ほぼほぼ出来上がりのドレスたちの美しさよ✨
なのにダメ出しで1から裁断、手縫い😩
ビーズ(スパンコール)の刺繍なんて、明日までに終わるとは思えない😱
めっちゃ綺麗なんだけど💕

11cmのヒールで歩くモデルさんたち。いやはや。
デザイナーだけじゃなく、制作チーム、会場のセッティングした人、花屋さん、モデル、メイク担当、ショーの進行役、そこにはプロしか居ない。

全力を出しきれただろうか、成功するだろうか、上に立つ人の重圧は想像できないな。

2ヶ月で、やってのけた。本当にすごい。
目の保養になった。
沙那王

沙那王