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ディオールと私の砂のレビュー・感想・評価

ディオールと私(2014年製作の映画)
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ディオールのデザイナーに就任したラフシモンズ(現在は退任、その後のカルバンクラインも退任)の、ファーストコレクションまでの舞台裏を捉えたドキュメンタリー。
端的に言えばうまく編集された情熱大陸的なお仕事映画であるけど、舞台が舞台だけにとても面白かった。

きらびやかさの極北ともいえるハイブランドのオートクチュール、1本1本の糸を人の手によって縫い合わせていく作業と同様にアトリエでは非常に泥臭いというか人間的な職人技と情熱によって支えられている。ナレーションとオーバーラップするラフの状況・一個人としてフィーチャーされる職人たちがそれぞれ主人公として服を作っていく。

ディオールのアトリエを映し出していて、どのように服が作られているのか丁寧に描写されるのでここだけ見てもとても貴重な映像である。チャレンジングな仕事に挑む職人たちという構図はドラマになるのだなと。プロジェクトリーダーとしてラフはいささか完璧主義的で、現実的なオートクチュールの生産能力を超える要求を幾度もしており「自分の上司がああいう人だと大変そうだな…」と全然別業種である私は思ったりもしたが…笑
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