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秘密 THE TOP SECRETのTSのレビュー・感想・評価

秘密 THE TOP SECRET(2016年製作の映画)
1.9
【最初の30分と主題歌だけ良い】
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監督:大友啓史
製作国:日本
ジャンル:サスペンス
収録時間:149分
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ツッコミどころが多すぎてある意味面白かった作品でございます。フォローさんの方々のレビューは酷評で溢れかえっていまして、逆に興味が湧いた作品でありました。

まず驚異の150分。あらかじめ面白くないと聞いている作品に、洋画大作並みの時間を消費しないといけないのが辛い。最初の30分あたりこそ、斬新なアイデアであっただけに少々面白かったですが、その後は全く事が進まない泥沼状態と化していきます。

死体の脳から、その人の生前の記憶を映像化する技術を持つ機関「第九」。最先端の技術を駆使するこの機関に憧れた青木がこの機関に接触していくのだが。

アイデアは非常に面白いのに、何故にこんなお粗末な展開になってしまったのか。それは、事件ごとの繋がりが見出せず、第九が何をしたいのかわからないということに起因するでしょう。主に貝沼と絹子の事件を中心に描かれていますが、この二つの事件の関連性がよくわからない。貝沼の脳において、絹子と接触している箇所が確認出来たらそれでめでたしですか?第九の長である薪がある場所で絹子に対して
「そんなことはもうどうでもいいんだよ」と言った時は笑ってしまいました。

こんなに斬新で優れた技術を持っていたとしてもまるで使いこなせていない。サイコパスといえど、たった一人の女に弄ばれてる無能な機関、その無能な機関にとばっちりをくらった刑事、それに加えて展開が鈍いので非常に苛々します。特に、新人の青木に関しては何かと感情に任せては失敗をしでかす。終盤のあの人物との対峙は、この人たち何やってんの?と思わずにはいられない。怒る対象、ベクトルが無茶苦茶であります。青木に関しては、面白いほど最後まで役に立たないです。

総じて「難解」な映画。いや、「難解」という言葉にも失礼かもしれない。「意味がわからない」映画といった方が早いかもしれません。序盤こそ良かったものの、絹子の事件に介入してからカオスになります。この絹子役を演じる織田梨沙という女優も非常に憎たらしい演技をしてくれます。それはそれで俳優としては褒め言葉でしょうが、その彼女をギャフンと言わせる様なことはない。つまりカタルシスもなんもなく、もやもやしたまま上映が終了してしまいます。

極め付けは、薪の「○○の死を無駄には出来ない」て言葉でして、これには笑わされてしまいました。いやいやいや、あんたが○○たんだろ。とツッコミをいれたくなります。と、最早ツッコむことに楽しみを見出すのが正攻法とさえ思える映画でした。

エンディング曲のAliveは良かったです。誠に申し訳ないですが、最初の30分程と最後のエンディングだけ良かったと言わざるを得ない。生田斗真、松坂桃李、栗山千明など中々の俳優陣が出ていたのに残念です。もっとも、原作を読んだことがないので、原作ファンからすると面白いのかもしれませんが。

地味にPOV要素、ホラー要素、エログロ要素もあります。なので、もっと誰もがみて理解できる映画だったなら、化けたかもしれませんね。
TS

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