映画ドボロウ

母と暮せばの映画ドボロウのレビュー・感想・評価

母と暮せば(2015年製作の映画)
2.2
映画後の感想としては一緒に見に行った人と「あの終わりかー…」と腑に落ちなかった。
端的に良い点と悪い点を書いていく。良い点は皆の演技力、細かな演出である。吉永小百合、黒木華のあの時実際に「いた」と思える感が凄まじい。もちろん脇を固める俳優陣にも舌を捲く。ただ二宮がやはり玄人の中では浮いてしまうのも仕方ないのかもしれないが演技のわざとらしさが少し見えた。あと少し違うかもしれないが本田望結はどうみても小2には思えないしゃべりだったのも少し気になった。演出については序盤が特に良かった。ピカドンと言われる所以をこの絵1つで自分が体感したように、恐怖を感じたのは監督の力か。
次に悪い点。亡霊として現れるという話からもわかるとおりやはりどこかファンタジー感が拭えない。吉永小百合扮する伸子がキリスト教であるのも少し後押ししているような気がする。そしてエンディングにおいてもそうである。当時の生活、環境等細かに描いていたのにもかかわらず、こんなに抽象的な終わり方で良いのか。正直最後はポカーンである。このファンタジーがどうにも世界感に合わないのがやはり大きなマイナス点か。
では最後に一番印象に残ったシーンについて。それは町子の婚約を聞いた伸子が二宮扮する浩二に言った「町子のかわりにあんたが生きていれば」と泣き崩れるシーンである(セリフはうろ覚えですみまさん)。今までやはりどこかに綺麗事を並べているように見えた母の本音の辛辣さと子を亡くした辛さが非常にでていて胸にくるものがあった。
ぜひ見てみてほしい。

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