このレビューはネタバレを含みます
母が話した、当時の長崎の街は「地獄」
それから3年が経ち、街の復旧は進んだけど、人の心の傷は癒えることなく時間が過ぎている
戦争によって息子二人が亡くなり、一人とり残された母
伝えきれなかった母の思い、息子の思い
戦争が終わり、ようやく手に入れた穏やかな生活のなかで
いまだにぽっかり空いた心の穴を感じていると
ふと現れた、あの日からずっと会えなかった息子
息子が現れてする会話は、いつも楽しそうで、でもどこかセピア色にみえた
現代を生きている人たちは辛く苦しくても前を向いた話に感じるけど、息子の話はどこか過去に縋るような話しに感じました
戦争で死ぬことは運命じゃない
人間が計画し、実行された悲劇なのよ
今のロシアによるウクライナ侵攻と重なり、とてもとても重い言葉だなと感じました。
生き残った人たちは、亡くなった人たちの想いを背負って幸せにならないといけない
人の幸せを想って、辛く苦しい日々を生き抜いていってほしい
戦争があった80年近く前
その時代を生きた人、戦争で亡くなった人の様々な想いを礎に、今の自分がある
戦争を知らない子供たちに、平和学習として伝えていける作品だと思います。