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パルコ フィクションのnekoyashikiのネタバレレビュー・内容・結末

パルコ フィクション(2002年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

短編オムニバスのお手本のような映画。

少し前にmirrorliar films season1 という短編オムニバスのオンライン試写を鑑賞したのだが、俳優や漫画家などの素人や新人監督が多かったこともあって正直劇場公開するレベルに達してないと思った。10分少しの尺で観客を楽しませるストーリーと映像を作るのは経験を積んだプロの監督でないと難しいということを実感した。

この映画をDVDで鑑賞した場合、本編が65分しかないので長めのメイキングや監督インタビューがついている。興味深かったのはメイキングで両監督がお互いの撮影風景を撮影していて撮影中の素顔を垣間見ることができる。例えば矢口監督は劇場挨拶やインタビューでは必ず眼鏡をかけているが、撮影現場では眼鏡をかけてなかったり、原因はよくわからないが鈴木監督は時々顔が真っ赤になっていた。また鈴木監督は自身が俳優でもあるので俳優さんとの距離が近くて子役にも笑顔で話しかけながら実際に自分で演技してわかりやすく演技指導しているのが印象的だった。矢口監督は動物と子供は言うこと聞かないので苦手らしい。矢口監督の映画に出てくる子役は学芸会みたいな台詞棒読みが多い気がするし、脇役に常連の俳優さんをよく使うのは演技指導が苦手なのかもしれない。

エピソードの内容を大まかに説明すると『PARCOの誕生』『入社試験』『バーゲン』は矢口監督でいずれも主人公がとんでもない災難に遭う話。『はるこ』『見上げてごらん』は鈴木監督で認知症のお婆ちゃんやスカイスクレイパー症候群の女性のために孫娘や警備員が頑張る話で監督其々の個性が現れている。

『入社試験』で主人公がPARCOの看板から顔を出すシーンがあるが、あれはブルーマット合成らしい。
メイキングを先に見ていたので目を凝らして画面を凝視したが、全く合成に見えなかった。デジタル合成の技術は20年前でも相当レベルが高かったようだ。
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