近本光司

形見の近本光司のレビュー・感想・評価

形見(1963年製作の映画)
3.5
少年はひとりでに飛びつづける白色の紙飛行機を追いかけて父の眠る墓地を駆け抜ける。若くして未亡人となった母はかたや夫の幻影に誘われ冥界に足を踏み入れる。あつめた枯れ葉を燃やし、箒をかついで煙草をくわえ立ち去る「ぼく」の後ろ姿。形見という題が美しく響く抒情的な小品。あの秋のやわらかな陽射しとそよぐ風!