バナバナ

陽だまりハウスでマラソンをのバナバナのレビュー・感想・評価

2.5
ユルーい『カッコーの巣の上で』のドイツ版かな。

オリンピックのマラソンで金メダルを獲った事がある往年のマラソン選手パウルは、
寄る年波に勝てず、妻と老人ホームに入る。
特にやりたい事がなく、しょぼくれていくパウルだったが、妻の励ましによりまたマラソンを始める。
が、施設から厳しく止められてしまうのだった…。

日本でもそうだが、老人ホームってデイサービスみたいに日中のプログラムがある訳ではなく、ただテレビが点けっぱなしの部屋に放っておかれるだけなので、残念だが一旦入ってしまうとボケが進んでしまう。

この作品では認知症の人はパウルご本人位なのだが、若い施設長や、ヘルパー長の管理主義が酷い。
すぐ薬を飲ませて、何とかしようとする。
まあ、もし転んで骨折したら、施設の責任になるからなのかもしれないけど。

ドイツって、例えば幼稚園選びでも、カトリックの幼稚園は権威主義で厳しいらしいので、
日本の駐在員やドイツ人と結婚された方などは、出来るだけ入れたくないらしく、
プロテスタント系の自由度が高い幼稚園を探すらしい。

パウルは施設を嫌がって娘と暮らしたがったが、一人娘は個人の自由が無くなると、これを拒否する。
パウルがややボケてるとはいっても、好きな事をやらせた方が認知症も進み難いと思うので、もっと優しく運営してる施設を探してあげればいいのに、と思った。
それとも日本みたいに、ドイツもなかなか入れないのかな?

1年後、施設の雰囲気が変わっていたけど、あのヘルパー長の人間性が簡単に変わるだろうか。
描きたい事は分かるけど、どうも演出が私と合わなかったので、点数低めになりました。
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