ごろちん

ジョン・ラーベ 南京のシンドラーのごろちんのレビュー・感想・評価

4.0
数年越しで観たかった作品。
「映画を通して中国や日中関係を見つめ直す」という主旨で日芸生たちが企画した今年の日芸映画祭《中国を知る》

前説の話だと日本では上映権が終了していたので、ドイツの配給会社に交渉して今回の上映まで漕ぎ着けたんだとか。公開当時日本ではどこの配給会社も手を挙げず、一部の団体が自主的に上映していただけのレアな作品というだけあって、今日はほぼ満席だった。

ストーリーは「南京のシンドラー」と呼ばれたシーメンス社の中国駐在員、ジョン・ラーべの実在した日記をもとに南京事件を再現。日本軍から南京市民を守るため奔走したジョン・ラーべとその仲間たちの姿が描かれている。

実際の記録映像も流れるけど、劇伴が多くて割とドラマ仕立てといった感じ。日本軍が行った蛮行の描写は今まで読んできた本の内容と変わらない。いや寧ろ抑え気味かも。同じ南京事件を描いた『南京!南京!』は全体的に悲哀が感じられたのに対して、この作品はタイトル通りジョン・ラーべの英雄伝といった印象が強い。

今日(12月13日)は奇しくも中国の国民記念日である南京大虐殺犠牲者国家追悼日。敢えてだとは思うけど、この日に上映を組んだユーロスペースの勇断に拍手👏
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