Shizka

ジョン・ラーベ 南京のシンドラーのShizkaのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

うーん、感動するお話のような気もするけれど、あんまり感動しない。なんでだろう?

ひとつはあまりにも「シンドラーのリスト」に似通っているところだろう。従業員のいるところを特区にするのがまったく同じすぎる。二番煎じとはこのこと。

さて二番目は特区を隠れ蓑に大勢の兵隊を匿っていたこと。戦争なんだから生きるか死ぬかの瀬戸際でフェアプレイなんて言ってられないけれど、なんとなくスッキリしないね。

三番目は彼の功績である。えっと、何かしたんだっけ? 自分の工場を特区にした、資材を投げ打った、あとは、、、 必死に頑張っているような気もするけれど、具体的に何してたんだかわからなかった。

さて最後に、日本軍謎の行動。占領だけすれば良かったのでは?と思わなくもないがなにか理由があったのだろうか。撃ち殺すくらいなら逃せばいいのに。

総評として、シンドラーのリストよりもドラマ化に失敗している。

日本兵は酷いことするよなと思った。一斉射撃とか首切りコンテストとか尋常じゃない。戦争ならではの狂気。ここはしっかりと描かれていて効果的だった。

日本側も同盟国の顔は立てなくてはならないが、上官の命令は絶対、まして天皇の親族ならばほぼ勅と一緒。

その辺の板挟みのジレンマや、中国人の虐殺される側の心理とか、ドイツ本国とラーベの摂政とか、なんかもうちょっと見せ方があったのではないだろうか。

史実や手記をベースにしているから故、それに引っ張られている故に、自由にお話が作られていないな、と感じる。
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