manac

ゾンビスクール!のmanacのレビュー・感想・評価

ゾンビスクール!(2014年製作の映画)
3.3
子どもとて容赦しない
おちゃらけB級ホラコメだと思ってたのに、冒頭からグロテスクで泣きそうになった…。何故私はこの作品をチキンを食べながら見ようと思ったのか…。
とはいえ、グロテスクなのはタイトルバックまでの数分で、見なくても本編に影響のない鶏肉工場での鶏を絞めるところから加工肉が出来るまでの生々しい描写だけ。蝿のアドアップも出てくるので、苦手な方は数分間鶏に黙祷を捧げていてください。

タイトルバックが過ぎれば、あとはもうこっちのモン。期待を裏切らないコメディです。
子どもだけが発症するゾンビになるウィルスが入ったチキンナゲットを食べた小学校の生徒たちが次々とゾンビ化し、個性豊かな教師たちが追い詰められて行く姿をコミカルに描く。

脳筋おバカ教師やら神経質な防犯マニア教師やら、キャラが濃い。全員おバカなのは共通。私のお気に入りは多様性賞賛ゲイ教師!
個性豊かな大人たちが容赦なくゾンビチルドレンを蹴散らしていく様はいっそ清々しい。武器はホッケースティックやシンバルだけど。
ゾンビ映画定番の元友人やら家族だったゾンビと対峙する際の逡巡等一切ない。なんなら此処で日頃の鬱憤を晴らしている気配すらある。
こんなに潔く子どもなぎ倒してよくどこからも苦情来なかったな。

子どもたちもなかなか狡猾で、校内に隠れる教師たちを校外から孤立させる為に電話線を切る、携帯電話を破界する等の賢さを見せる。
それでもやはり所詮は子ども、校庭で無邪気に遊んでいるのだが、良く見ると縄跳びの縄が人間の腸だったりする。シュール!子どもって残酷よね。

B級コメディらしく、オヤジギャグばりの小ネタが随所に飛び出してくるのだが、その中にはイライジャウッドの関連作品や過去の名作もすこし出てくるので、映画ファンとしてはなかなか心をくすぐられる脚本。
私は少ししか判らなかったけど、判る人には楽しいはず。
劇中に出てくる劇場にあるポスターはなんとウッドが製作総指揮を務めた『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女 』(2014年)らしい。
全く気が付かなかったよー。そんな映画の存在すら知らなかったよ〜。

B級コメディ好きなら必見。
manac

manac