MASAYA

スラッカーのMASAYAのレビュー・感想・評価

スラッカー(1991年製作の映画)
3.2
9月17日に青春映画学園祭前夜祭にて渋谷のTOEIで上映していたのですが、あいにく部活の試合で観に行くことができませんでした。

もう観ることは叶わないかと諦めていたのですが、なんと武蔵野館のリニューアルと青春3部作一気見という特別企画を記念して、シネマカリテが本作を上映してくれるというではありませんか!!

お陰さまで11月の1ヶ月の間にリンクレイカー監督作品を4作も劇場で鑑賞することができました。
新宿武蔵野館、シネマカリテ、ありがとうございます。


ここからレビューに入らせてもらいます。
本作はあの「ビフォア3部作」で有名なリンクレイカー監督のデビュー作になります。

こんな映画は観たことない!
それが正直なファースト・インプレッションですかね。
全員が主人公、若しくは主人公不在という、スラッカーからスラッカーへ「いろは」をなぞるように数珠繋ぎのようなバトン渡しを繰り広げます。その受け渡しの見事さといったらもう華麗すぎて脱帽です。テンポも良いですし、気づいたら次へ移っています。

スラッカーとは“怠け者”という意味のようですが、たしかに勤勉な人は登場しないかもしれません。けれども何か必死に生きているであろうことは一人一人から伝わってくるんですよね。

リンクレイカー監督のセンスは光りっぷりが半端じゃないですし、この作品の尖り様を目の当たりにしたら90年代インディペンント映画の歴史的な一本という意味が非常によく分かります。

でも、残念ながら一つ一つのエピソードに起伏があるかといったらそうではありません。ぶっちゃけマドンナの子宮細胞がピークでした。
『6ボク』のようにこの心地よい移り変わりを味わう作品なのかもしれませんが、どちらかというと自分は『バッドチューニング』や公開中の『エブリバディ・ウォンツ・サム』のようなはっちゃけ感があって分かりやすい作品の方が好きです。

個人的にはそのような理由で余りハマりませんでしたが、この斬新な作風を一度味わってみるのはいいかもしれません。


2016.11.21
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