橋口亮輔監督作品、観るのは3作目。つくづく感情の機微を描くのがうまい監督。
リアリティがありすぎる演技にビビった。観ていて不快なほど生々しい。行き過ぎた演出もあるけど、人って人が思うより理解できないもので、こういう人いそうだなって思えるギリギリの描写がすごいな。
通り魔事件で妻を亡くしたアツシ／夫と姑にないがしろにされている主婦・瞳子／同性愛者の弁護士・四ノ宮
この3人の群像劇。絶望からの再生の物語でもある。
人間の内面をエグいほどあぶり出しながら、同時に日本社会への怒りや批判が描写されてる。区役所でのシーンがケン・ローチを思わせた。
主演の周囲にいる人たちも実はもがいているんだと思う。アツシの亡き妻の姉も、職場の先輩も、瞳子の夫や詐欺師の夫婦も、四ノ宮の恋人も、誰もが幸せには見えない。それでも生きていかなきゃならないんだとこの作品が伝えている。
落ちるところまで落ちたら、這い上がっていけるのかもしれない。そんなわずかな希望を与える結末は、少し白々しい気もしたけど、ホッとした。監督の優しさですね。
潔いタイトル。
✴︎のんchanありがとう✴︎
