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ユリシーズのNMのネタバレレビュー・内容・結末

ユリシーズ(1954年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

三千年以上前。神と人がともに地上に生きていた時代。

イタカの王ユリシーズは、トロイ遠征で勝利したが、その際神殿のポセイドン像を破壊し、呪いをかけられる。

妻ペネロペは生存を信じ長年帰りを待っているが、国民はもう死んだものと思っている。当時幼かった息子テレマコスもすっかり成長した。戦争は終わり、帰還した他の兵士もいるのに、ユリシーズは行方知れず。
王不在の城は無法地帯と化し、ペネロペへの求婚者が勝手に集い、寝泊りしては日々騒ぎ立てている。みな財産目当てであり、いつまでも再婚しないペネロペを責め立てる。息子テレマコスまでいじめて嘲笑する。
ペネロペは、タピストリーが編みあがったら再婚すると約束するが、求婚者らを相手にしている女メラントにより、毎晩編んだ分をほどいていることがばれてしまう。
ついに再婚相手を競技で勝利した者とすることに。

ユリシーズは、イタカから近くのアルキノオス王の治める国のフェアチ島へ一人漂着していた。王女ナウシカアが発見し命を助けると、ユリシーズは自分が誰なのか記憶をなくしていた。
礼儀作法を心得ており、武道や弓に長けた彼をナウシカアは見染め、結婚の日取りも決まった。
しかしユリシーズが海を見つめていると数々の記憶がよみがえってきた。

ユリシーズ一行はトロイからの帰路、ある島に辿り着く。
ブドウや羊、チーズやミルクを見つけみな歓喜するが、それらはポセイドンの息子で一つ目の巨人・ポリュペモスのものであった。
ユリシーズはワインでポリュペモスを酔わせ、みなで脱出。

今度はセイレンの岩を見つける。歌で船人を惑わし座礁させてしまう岩だ。ユリシーズは好奇心から、体を船に縛り付けたうえでその歌を聴いてみることに。すると、妻や息子が、行かないでくれと嘆く声が聞こえた。
しかし耳栓をし岩を見ず必死に漕いだ船員たちのおかげで逃げおおせる。

さらに進むと、風も潮もないのに引き寄せられてしまう岸があった。そこは魔女と呼ばれる女神キルケの島。
キルケはあの手この手でユリシーズをもてなす。ユリシーズは出発を半年も先延ばしにしたため、業をにやした他の船員たちはユリシーズをおいて船出するがすぐに沈んでしまう。それを見て我にかえったユリシーズが一人ちまちまといかだを作り始める。キルケは永遠の命をやると引き留めるが、それを断ったユリシーズに出発をゆるした。
そしてこの島へ漂着したのだった。

ついにすべてを思い出したユリシーズ。アルキノオス王はしかたなく船を与え帰国を許す。ナウシカアも涙で見送る。

イタカではペネロペの再婚相手選びが始まろうとしていた。
待ち疲れ、人々のプレッシャーに屈しつつあるペネロペは、求婚者筆頭のアンティノオスは、私はやつらとは違う、テレマコスも自分の息子として必ず守ると言いより、ペネロペを口説き落とす。
しかしアンティノオスは、ペネロペ以上に父の帰りを信じる息子テレマコスを、再婚が決まったら程なく殺すつもりでいる。

状況を確かめるべく物乞いに変装したユリシーズが、昔の戦友と称してペネロペに謁見すると、ペネロペは夫であることに気付かなかった。嘆くペネロペに、再婚者選びに昔の競技を薦めて立ち去る。
しかし猟犬は主人を覚えており、テレマコスも父であることに気付く。

求婚者らに施しを求めると、アンティノオスらは施しどころか侮辱して追い払おうとし、テレマコスはもうじき死ぬと言う。

そこへ花嫁姿で現れるペネロペ。競技を発表する。ユリシーズの弓を曲げて穴へ矢を通した者と再婚すると言う。その昔ユリシーズも弓で勝ってペネロペと結婚した。
その弓は女神アテナの加護を受けたユリシーズしか引けない。誰も引けないはず。
みなが挑戦するが、弓は頑丈で、つるを掛けることすらできない。
そこへさっきの物乞いが、私も試してみたいと申し出る。みなばかにして笑うが、天に稲妻がとどろき、矢は見事的中。
ユリシーズと気付き逃げ出す男たち。ユリシーズは次々と男たちを倒し、テレマコスは扉を塞ぎ一網打尽にする。

皆殺しの様子を目の当たりにしてペネロペはおののくが、ユリシーズはペネロペの苦しみをこれからの平穏な日々で償うと誓い、再びともに暮らす。
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