友二朗

仁義なき戦いの友二朗のレビュー・感想・評価

仁義なき戦い(1973年製作の映画)
4.9
「弾はまだ残っとるがよ」

想像していたものとは違い、熱き青春がほとばしる、現代にも重ねられる懐かしい物語だった。

しっっぶ。おもろ。
全てが素晴らしい、歴史をその名が燦然と刻まれている理由がよく分かる。大スター達がスクリーンで大暴れしている。きっと自分の中で、時間をかけて愛して止まない作品になる。

ゴリゴリの組での成り上がりを描く物語かと思っていたら、組を乗っとる、組から出る、組を離れる、組を思う、そんな外に行こうとする漢達の物語であった。気づけば悪人になり、何故盃を交わしたのか。なるほど"仁義なき"戦い。

ここにきて任侠映画爆ハマり中。
こんな事言うのは悔しいけど、まじで今の日本映画って死んでるんやな。

菅原文太かっちぇ〜〜〜!激渋。
目力の迫力が渋過ぎる。
兄弟分って美しいな〜。

坂井、哀しき漢やな。
最期が切な過ぎる。
満足か?満足じゃなかろうが。

この浦島太郎物語の切なさ、文太の哀愁、渋さ、カッコ良さ。坂井の葛藤、渋さ。

展開がめちゃくちゃ緻密でお見事。市会議員選挙と事件が一つ一つ、映画一本の中で無駄がないのにエピソードとしての価値も含ませている。組長がカスすぎて腹立つ。上田・坂井vs新開・有田おもろ。昌三出てからも、おやっさんゴミカス過ぎてえぐい。全財産あげる言うとったやん!外道すぎる。

松方弘樹の迫力がえげつないし、力を得るほど小さく見えてくる不思議。逆に昌三が海のように大きく見えて来る。これがリアルな極道の姿なんかな、なんて。盃取り出して蹴り割るシーン、切ないなあ。

山守組
新開派・坂井派
土居組(元土居組)

若杉御用達の店のママが美人過ぎる!!
皆エネルギッシュで画が強い!

路地裏の様子を階段の隙間から撮るカット斬新でカッコいい!

上納金のシステム、自立のあれこれ、暖簾のビジネス、極道も難しいな。したいことが自由にできる組。

オープニング、戦後に生きる何も知らない正義感強いだけ文太がなんだか可愛い。12年後、その後、朝鮮戦争、またその後と目に見えて彩り豊かになっていく日本の光景もリアルで美しい。電話なんて誕生して。一作目だと分かっているが、単体として既に素晴らしい。

テーマソングめちゃええな〜

まじで赤犬と黄猿にしか見えん。
おだっち絵上手いな〜。

ヤクザと家族でも思ったけど、ヤクザ映画で捕まってって流れ、コスパ良くタイムスリップ演出できて、これ一つのジャンルとしておもろい。

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・こいつは右腕じゃ!
・なんでもええ!入れたらええんじゃ!
・なんよお、ワシが行っちゃろうか?やられたんはワシの友達やし。
・ん、任しときんさい。
・誰も初めっから極度言うちょるかい、まあワシに着いてこいや。
・ワシゃあこれから腹切るけんの。
・盃がないけん、これで腕え切って血いすすろうや。
・呼んでいいですか?呼んでいいですか?
・ワシい指詰めますけん、それで堪忍してつかあさい。
・そうさ、それで身体の重みでいっぺんに押しゃあええんよ。
・こりゃ痺れるなあ〜〜。
・済んだこたあもう仕方がないけえ。
・アンタに万一の事があったら、きっと、ウチが骨拾いに行くけんね。
・すまん、ワシも後から行くけえ。
・昌三、こんなええおやっさんと姐さん持って、幸せじゃのう。
・後がないんじゃー、後が。
・ま、身体だけは大事にしとけよ。
・兄貴、ワシゃあ今度出たらアンタんとこに行くよ。のお?絶対行くけん。待っとってついやあ。
・ええ子じゃけえ、寝ときんしゃい!
・有田あ、ポンは辞めえ言うとるんが聞けんのかあ!
・だが一つ言うとくがのお、こがな親に金渋る子がどこにおるんじゃい。
・ちぇっ、渋っとるのはどっちじゃ。
・男が世に立つ以上、人の風下に立ったらいけん!一度舐められたら終生取り返しがつかんゆうのが、この世間ゆうもんじゃ。
・神輿が勝手に歩けるなら歩いてみいや!
・のお親父さん、喧嘩はなんぼ銭があっても勝てませんぜえ!!
・ついに暴力による新開派の駆り出しに出た。血で血を洗う抗争事件。
・12000じゃ。
・そんなもんじゃ遊ぶよ遊ばんも、足しにならんですよ!
・ワシまで、信用できんようなっちょるんか?
・大体ワシらが山守から盃もろたんはよお、お互い殺し合う為じゃなかった筈じゃ、そうじゃろうが。じゃけん親父が親父らしゅうのうてもよお、もういっぺん生き残ったもん同士で組い立て直してみようやあ、のう、そうでもせにゃあ死んだもん浮かばれやせん。
・おやっさん、ハッキリ言わせてもらいますがのお、坂井も悪いが、アンタも悪い。ワシゃほんとに愛想が尽きた。じゃけん、ワシを騙した堺はワシがとっちゃる。
・そがな昔のこと、誰が知るかい。
・山守には盃は返したけえ、ワシの一存よ。
・どうしてなら。
・おどれの胸に聞いてみたら分かろうが!
・さあやれや。ワシを取り逃したら、なんべんでも狙うとるぞお!
・山守の下におって仁義もクソもあるかい!現実ゆうもんはどうもならんのよ。目え開いてワシに力貸せやあ。
・ほいでえ、新開や矢野は返ってくるのお?おお!?
・己の手はもう汚れとるんじゃあ、黙って早よおやれや。
・昌三、ワシらどこで道間違えたんかのお。夜中に酒飲んどると、つくづく極道が嫌になってのお、足を洗うちょるかあ思うんじゃが、朝起きと若いもんに囲まれちょるとお、夜中の事はころおっと忘れてしまうんじゃあ。
・最後じゃけん、言うとったるがのお、狙われるもんより狙うもんのが強いんじゃ。そがな考えしとると隙が出来るど。
・勝負はこの次付けよう。
・鉄っちゃん、こんな、こがなことしてもろうて満足か?満足じゃなかろうが。のお?ワシもおんなじじゃあ。
・山守さん、弾あまだ残っとるがよお。
友二朗

友二朗