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サーカスの5510のネタバレレビュー・内容・結末

サーカス(1928年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最近ブルーレイ版が出たというので、友人から借りて見た。
昔テレビでオンエアされたものをVHSで録画したテープが自分の録画リストにあったので、探したが、見当たらなかったので・・・

チャップリンにはこの作品に苦い思いがあって、あまり多くを語らなかったそうだが、それも納得、この作品は多くの名作に比べ、紹介される機会が少ないように思う。
だが、本編を見てびっくり、メーキングを見て、さらに仰天の一作だった。
チャップリンの原点が、舞台芸人、ボードビリアンであることは承知していたが、それにしても凄まじいばかりのこだわり、偏執ぶりがこの映画には満ち溢れていた。
全て、ディスクにあったメーキングで知ったのだが、例えばレストランで客が他の客の足を引っかけて転ばすカット。朝から晩まで、何十回も撮ったそうで、それぞれのテイクが紹介されているのだが、我々素人にはどこが違うのかさっぱりわからない。何度もやらされる役者さんいじめじゃないかとさえ思える。
他にもライオンのオリに入ったチヤップリンのそばをライオンがうろつくシーンも、吹き替えなしで何十回か撮ったようで、いくら芸を教えたライオンであっても、スタッフ達は冷や汗ものだろう。
また、これもスタントなしで、防護ネットなしの綱渡りシーン。
それだけでも怖いのに、複数のサルが顔などにまつわりついてよろけて観客をハラハラさせる完璧なサービス精神。
巨匠の下で映画を撮る人達にお疲れ様、とエールを送りたい。
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