シネラー

名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 史上最悪の2日間のシネラーのレビュー・感想・評価

2.5
『名探偵コナン』と『鍵泥棒のメゾット』
のコラボ作品でもあるTVSPを再鑑賞。
『鍵泥棒のメゾット』から続けての
鑑賞だったが、それによって作品自体の
面白味が増して良かった一方で、
全体的には地味な上に題名と内容の
不一致を感じる作品だった。

銭湯で誘拐された上に
記憶喪失となったコナンが、
伝説の殺し屋コンドウが関わる
事件に巻き込まれる内容となっており、
『鍵泥棒のメゾット』の後日談でもある
TVSPだったが、『鍵泥棒のメゾット』
よりも二転三転していく展開が
面白いと思った。
銭湯で転んで記憶喪失となった
コナンが拉致されるところから物語が始まり、
中盤からは過去に遡りつつ事件の全容が
細かく描写されていくのは面白かった。
又、『鍵泥棒のメゾット』で
コンドウに香苗を演じていた
香川照之と広末涼子が本作でも同役の
声優を務めており、
その点は嬉しい要素の一つだった。
『鍵泥棒のメゾット』からのオマージュ
要素や再現されている描写も多く、
そこは知っているからこその面白味だった。
加えて、コナンを必死に助けようと
奮闘する灰原が印象的であり、
可愛らしさもあってそこは良かった。

不満点としては、
"史上最悪の2日間"と題している割に
コナン自身がそこまで窮地に陥る訳でもなく、
それどころかコナン自身は余裕すら
感じさせる内容だと思った。
(普段の劇場版や黒の組織との
エピソードの方がよっぽど危機的に思う。)
更に言えば、サスペンス要素にしても
結局はコナンとコンドウの手のひらで
転がされる展開となっていく為、
コナンを知っている身からすると
常套手段な策だった事もあり、
そこに派手さや驚きが無いのは残念だった。
加えて、灰原の描写や活躍が多い一方、
蘭が作中通して不機嫌で自分本意な
描写も多かった為、
キャラ的な違和感は否めなかった。
又、『鍵泥棒のメゾット』からの
登場人物達の中で、映画では堺雅人が
演じていた桜井の登場が唐突だと思った。

一本の作品としてもコラボ作品としても
中途半端でキャラクターへの理解も
微妙に思えてしまったが、
鑑賞前後に『鍵泥棒のメゾット』を
観ている事で面白いと思えるコラボだった。
必死で可愛い灰原が観れる事が一番の収穫。
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