獣のような狂気
全編手話のみという斬新な手法にひかれてこの作品を見ました。
実はいきつけの映画館で上映していたのがこの作品だけだったということもあったのですが。
まあ、あの映画館(N県S市A座)の上映作品なら間違いはあるまいと思ったのであります。
しかしながら、これは今一つでした。
舞台はウクライナの特別支援学校。
聾唖者の学校のようですが、信じられないほど荒みきっています。
ウクライナってこんなにも社会問題が進行しているんでしょうか。
暴力、売春などは日常茶飯事という設定。
映画とはいえ、奇をてらったという雰囲気ではないので、ある程度はそうした問題も現実にあるのでしょうか。
それにしても、救いようがない学園生活。
強いものが弱いものを制し、暴力だけがものをいう世界。
純粋さゆえに暴力に走ってしまう、とはいうものの、ここにあるのはそうした純粋さとも違う、なにうやら凶暴な姿だけなのです。
したがって、登場人物の誰にも共感できませんでした。
手話のみで物語が展開するので、すべてを読み取ることはできないのですが、それにしても後味の悪い映画でした。
SEX描写は確かに美しくはあるのですが、それも、やはり獣のようでした。
2016/8/6 20:49
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