とんこつたろう

ザ・トライブのとんこつたろうのレビュー・感想・評価

ザ・トライブ(2014年製作の映画)
3.2
どんなにエモーショナルな出来事が起きようと、役者の表情が寄りで迫られることはない。一切の全てを手話で見せつける聾の世界は、引きの撮影を通して健常者の観客と敢えての距離を生み出している。ここで起きる事に共感するなと、日々の無関心や安直な同情心を突かれているようだった。
また世界的に云える問題だが、特に日本はメディアの影響を強く受け、障害者の聖人化が異常なレベルで周知化されている。そういう我々が勝手に貼り付けた無責任なレッテルを、この映画は怒りを持ってことごとく打ち破っているようだ。肥大化した憎しみが爆発する瞬間に、聾も健常者も関係ないのだと。