チャップリンのミューチュアル社時代の秀作短編。
路上のバイオリン弾きで日銭を稼ぐチャーリーがジプシーの元で虐げられて暮らす女性を救い出す物語です。
前半は挨拶がわりのギャグと追いかけっこを披露しますが、女性を救出してからは切ないロマンスが展開され、特に虚しいテーブルセッティングは後の「黄金狂時代」の名シーンを彷彿とさせます。
切ない展開を甘んじて受け入れる姿は単に笑えるだけではないドラマとしての進化を感じさせるものでした。
シンプルなハッピーエンディングは短編ゆえに仕方がないとは言え、長編になってからの複雑な感情を呼び起こされる一捻りある結末に比べてしまうと物足りなさが残りました。