YYamada

特捜部Q 檻の中の女のYYamadaのレビュー・感想・評価

特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)
3.5
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
特捜部Q① 檻の中の女 (2013)
◆サスペンスの要素:
・5年間行方不明の議員の捜索

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・コペンハーゲン警察殺人課の刑事カールは、新設されたばかりの未解決事件班「特捜部Q」に左遷させられる。捜査終了と判断された事件の資料整理にやる気を見出せないカールだったが、資料の中から5年前に世間を騒がせた美人議員失踪事件の捜査ファイルを発見し、その捜査結果に違和感を抱く。
・助手アサドと共に調査に乗り出したカールは、議員がまだ生きている可能性にたどり着く…。

〈見処〉
①ベストセラー北欧ミステリーを映像化
 第1作は北欧の「相棒」誕生編
・『特捜部Q 檻の中の女』は、2013年にデンマーク、ドイツ、スウェーデン合作にて製作されたミステリー・サスペンス。
・世界的に人気を集めるミステリー小説「特捜部Q」シリーズを本国デンマークにて映画化するにあたって、同じ北欧ミステリーの代表作『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のニコライ・アーセルが脚本を手がけている。

②特捜部Q
・2007年に第1作が刊行され、2021年現在では第8作までシリーズされている、デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンによる原作小説「特捜部Q」。
・世界30か国以上で翻訳され、累計2400万部を売り上げているベストセラー・シリーズは「真犯人の追跡」よりも「事件の真相背景の探求」に重きを置き、社会や宗教、国家福祉などの大きな陰謀を挑む「北欧ノワール」ミステリーである。
・主人公は、コペンハーゲン警察の窓際族の刑事2人。リーダー格のカールは、無鉄砲で頭に血が上りやすく、助けを必要とする人のために奔走する暴走型刑事。一方、相棒のアラブ系刑事アサドは、温厚な性格で常にカールをサポート。
・立場も考え方も違う二人の刑事が、次第に心を許していき、特に他者を頑なに受け入れないカールの精神的な成長がシリーズの見どころとして描かれている。

③結び…本作の見処は?
○: 全編、薄暗く重厚な作風にて、議員の絶命までのタイムリミットを高い緊張感にて描ききっている、まさに良質のサスペンス。
○: 窓際部署に配属された2人の刑事が互いの一面に触れあい「相棒」となっていく過程がシリーズ第1作として、分りやすい構成。
▲: 現在と過去の回想シーンの遷移が解りづらく、多少混乱する描写。
▲: 映画シリーズ4作の中では、最もテーマ性が薄い「怨恨もの」。2作目以降の面白さアップを信じて鑑賞したい。
YYamada

YYamada