ハル

かくれんぼのハルのレビュー・感想・評価

かくれんぼ(2013年製作の映画)
3.7
「面白い」や「よく出来ている」ではなく、こうした作品に期待する恐怖感という意味では心を抉るほどの迫力を有する淀みきった一作。
ヤバすぎて震えた…

一つの嘘が誰かの人生を狂わせ、生まれる悔恨。
けれど、自分がついた嘘で誰かを地獄に突き落としてしまったという良心の呵責のほうが辛いのかもしれない。
“自業自得”とはいえ、兄を裏切り自分だけが成功してしまった主人公の苦悩は見るに絶えないものだった。
映画はフィクション、でも小さな嘘をついた後悔がシコリとしてたまにフツフツ出てくることは誰しもある経験ではないかな。

姿を消した兄に襲われているんじゃないかという疑心暗鬼スパイラルな前半。
一転、後半は狂気に次ぐ狂気によって狂乱のバトルロイヤルへ。
完全なガチコワホラーにモデルチェンジ。
「何このヒト…こ、こわすぎ…」何回も呟いてしまった。
そもそもフルフェイスでエレベーターに同乗してきたら自分なら降りてしまうかも。
しかも、周囲に誰もいないってもう恐怖しかないよ。
凶器を振り回しながら後ろから羽交い締めにしてきたり、金属バットで頭叩き割ったり…そして、この暴君は誰でしょう?というのが本作最大の楽しみ。もちろんネタバレになるのでここは触れません。

総括して雑さが目立つものの、サイコ・スリラー/ミステリーとしては骨太な一作。
とにかくイかれてる。
韓国にこの系統作らせたらやっぱり突き抜けたものを届けてくれるね。
特に自分は劇場でないと集中できないたちなので、配信鑑賞はこれくらいグイグイきてくれないとハマらない。
設定はユルユルだけどヒトコワ気分でハラハラ・ドキドキしたい時にはオススメなやつです。
ハル

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