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ニュー・ジャック・アンド・ヴェティのmingoのレビュー・感想・評価

4.0
冒頭の運転シーンかっこよって思った矢先、企画製作に若松孝二。そりゃそうだ監督は若松プロで助監はってた沖島勲の長編初監督作品。本作はブルジョア一家の崩壊をナンセンスな笑いと狂気でえがいたコメディ。

「家族ゲーム」や「しとやかな獣」のようなある種一辺倒に家族の崩壊を描いたドラマに比べると、鬼才がおくるアングラ小劇団のようなキチガイたちによる乱交ホームパーティーに発展するのだが、時空間に歪みが生じたような世界に観るものは徐々に顔を曇らせることになる。
終盤、童謡の「ぞうさん」が何故か唄われ、そんな唄は存在しないのだと叫んだとき、喜劇を通り越して恐怖が顔を出すのである。怖い…

特典映像で「女優霊」「リング」の高橋洋と対談されてて、タイトルはまさかとは思ったんですが「中学校の英語の教科書」からきているみたいです。良い年になったジャックさんとベティさんが結婚することになったという脚本からはいったのが流れ。違う次元の彼方からぶっ飛んではいるのが実に沖島勲監督らしくて良い話。デビュー作にして沖島勲節全開の最高傑作。
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