絵画系ドキュメンタリーの中でもかなり面白い作品でした!
写真が開発される150年も前に、フェルメールはどのようにして写実的な絵画を描くことができたのか。絵画知識の無いティム・ジェニソンがフェルメールの謎に迫る。
絵というよりは、写真のように、その場面を切り取ったように見えるフェルメールの絵画。ティムは絵描きではないが、昔から機械いじりが好きで、その技術は多岐に渡ります。
そんなティムが興味を持ったのが、なぜ昔の画家はこんな写実的な絵を描くことができたのかということ。
彼は、その絵画は画家の技術ではなく、当時何かしらの道具や機械を使って描いたのではないかという仮説を立て調査を進める。
フェルメールと同じ絵を描くために、同じ部屋から同じ小物まで用意するという執念がすさまじい。後半はひたすらティムがフェルメールの絵画を制作するのですが、段々と仕上がっていく絵がそっくりで驚き。
特に光の質感が似ていますね。
当時、カメラより前に、紙に情景を移すような技術が開発されていたとしたら、現代に残っていてもおかしくないとは思いますが、何か道具を使っていると周囲に思われると不都合だったから残らなかったんでしょうね。
これの検証が本当だったとすれば、フェルメールは職人気質で努力家だったのかも。
フェルメールへの印象は『真珠の耳飾りの少女』を見た後と比べかなり変わりました。